おかげさまで日本のガールスカウト運動は100周年を迎えました
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国際ガールズメッセ

テーマ

わたしの声から広がる世界

ガールスカウト日本連盟は、100年にわたり「自ら考え行動する女性」を育てるため、独自のカリキュラムにより取り組みを進めてきました。

近年、女性のリーダーシップへの期待や、技術革新の急速な進展など、女性を取り巻く環境は大きく変化し、「女性の活躍」のための施策が各方面でみられているものの、女性の力が十分に発揮できる社会とは言えない状況です。「Global Gender Gap Report2021」において、日本のジェンダー・ギャップ指数が世界156カ国のうち120位であり、経済分野においては117位、政治分野においては147位となっている現状を受け、これらの状況を「じぶんごと」として捉え、ともに考え、行動していけるよう、国際ガールズメッセを開催しました。

プログラム概要

開催日2021年10月9日(土)および2021年10月10日(日)
開催形式オンライン(YouTube Live)
後援内閣府 文部科学省、外務省、渋谷区、渋谷区教育委員会、ESD-J、ESD活動支援センター

なお、この事業の一部は子どもゆめ基金助成を受けて開催しました。

子どもゆめ基金助成活動

イベントの様子

プログラム

Day1:世界の「ジェンダー」を学ぶ

開会あいさつ

会長より(PDF)

基調講演

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株式会社マザーハウス 代表取締役 山口絵理子氏をお迎えし、途上国から世界に通用するブランドを作るために起業したというご経験を踏まえ、
・世界(10カ国)で仕事をすることで見えていること
・世界のジェンダーの現状について
お話しいただきました。

山口氏のお話しから
・それぞれの国には特産品があり職人もいる。現場を知ってみると可能性を感じることができると同時に自分の可能性を広げることにもつながる。
・女性が仕事をすることが当たりまえの国、女性は家庭にいるべきという国と各国で状況が異なるので、その国の文化を生かしながら、自分自身は変身する気持ちで入国している。
・裕福な人が貧しい人に何かを押し付けるような図が変わり、循環していけるようになるとよいと思っている。一人では変えられないが、いつでも変えていくことができるようにアンテナを張っているようにしたいと思っている。

世界の「ジェンダー」

各地域のガールスカウトメンバーが海外連盟と一緒に世界の「ジェンダー問題」について学んだこと、気付いたことなどを発表しました。

リーチアウトプロジェクト―ミャンマーとの協働プロジェクトから―

リーチアウトプロジェクトとは?
ユース年代を対象にリプロダクティブヘルスライツの知識を学び、同年代・若い年代に伝える人材育成を目的としたプロジェクト。
ミャンマーで535人、日本では事後活動を含め約1000人にリーチアウトできた。

ミャンマーの現状:ジェネレーションギャップ(年代による隔たり)が大きいので、ジェンダーの問題に関心を高めてもらえるよう、どのように伝えていくかが課題である。

大阪府連盟 ―デンマークとの交流を経て―

デンマークのジェンダーギャップ指数29位
デンマークの現状:「無償・有償労働時間の男女比」における男女差が日本に比べ約3分の1であるが、仕事面での格差はまだあり、賃金格差や女性の管理職割合もまだある。女性が稼いだお金は直接的に家計に影響しないという考えがあり、賃金格差につながっている。

宮崎県連盟 ―台湾、イギリスとの交流を経て―

台湾のジェンダーギャップ指数26位
台湾の現状:アジアでは最も男女平等が進んでいる。生理休暇を取りやすく生理をタブーとせずむしろオープンであるなど、見習う点が多い。 

イギリスのジェンダーギャップ指数23位
イギリスの現状:若い世代の男性は家事に積極的。地域の機関が生理用品を配布していたり、制服も男女共通など男女平等は進んでいるが、プロスポーツ選手の賃金に格差がある。

京都府連盟 ―パキスタンとの交流を経て―

パキスタンのジェンダーギャップ指数153位
パキスタンの現状:全体のジェンダーギャップ指数は153位であるが、政治に関しては98位と日本より高い。食事は男性より女性は少なく与えられるので、十分な栄養が得られないこともあるなど、家庭においての差が大きい。交流時におこなったアンケートからは、若年結婚により高等教育が受けられないケースも未だにあることがわかった。

東京都連盟 -エジプト、フィリピン、オーストラリアとの交流を経て―

エジプトのジェンダーギャップ指数134位
エジプトの現状:政治分野は103位と日本より高く、女性議員や大臣が多い。近隣地域に比べると高いが識字率にまだ差があるなど、全体的な男女差は大きい。男女差の理由としては宗教的な問題もある。

フィリピン16位
フィリピンの現状:女性議員の割合が高い。家事や育児を分担する伝統があり、所得格差も世界で5番目に小さい。

オーストラリア44位
オーストラリアの現状:教育分野では1位であり、制服に男女差がないなど全体的に男女差がないが、保健分野では104位と日本よりも低く、女性に性被害や暴力が深刻な問題となっている

愛知県連盟 -メキシコ、タイとの交流を経て―

メキシコ25位
メキシコの現状:日本と人口がほとんど同じだが、クオータ制が導入され国会議員の半数が女性などジェンダーギャップ指数の順位は高い。一方で、少女と女性に対する暴力は大きな問題となっている。

タイ75位
タイの現状:女性が働きやすい環境にあり、賃金格差も少なくキャリアを積みやすいため、経済分野では22位。性別選択は自由だが、LGBTの就業機会は制限されている現状もある。

世界と日本のジェンダー

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全国にいるユースメッセンジャーたちが交流をとおして気付いたジェンダーに関するまとめです。資料としてご活用ください。

日本と世界のジェンダー(PDF)

Day2:日本の「ジェンダー」を考える

100周年記念式典およびコミュニティアクション チャレンジ100アワード表彰式

秋篠宮佳子内親王殿下をはじめ、文部科学大臣、男女共同参画大臣、世界連盟理事長、ガールスカウトアンバサダー(近藤春菜氏、小池百合子東京都知事)など多くの方からメッセージをいただくとともに、コミュニティアクション チャレンジ100アワード受賞者による活動報告により、自分たちのできることを考える機会としました。

オープニング動画(約9分)※海外からのお祝いメッセージ含む

海外からのお祝いメッセージ 当日未配信分(8分30秒)

ガールガイド・ガールスカウト世界連盟理事長 ハイディ・ヨーキネン氏からのお祝いメッセージ(約3分)

ガールガイド・ガールスカウト世界連盟アジア太平洋地域委員長ブロンウィン・ヒューズ氏からのお祝いメッセージ(2分30秒)

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会長挨拶(PDF)

秋篠宮佳子内親王殿下

秋篠宮佳子内親王殿下のお言葉(PDF)

文部科学大臣 末松信介様からのお言葉(PDF)

 メッセージ動画(2分40秒)

内閣府特命大臣 野田聖子様からのお言葉(PDF)

 メッセージ動画(2分40秒)

コミュニティアクション チャレンジ100アワード受賞チーム発表(外部サイトへ)

アンバサダーからのメッセージ

近藤春菜氏(2分30秒)

小池百合子東京都知事(2分40秒)

「経済とジェンダー」をユースと考える

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株式会社arca 代表の辻愛沙子氏(News ZERO水曜日コメンテーター)をお迎えし、日頃から感じているジェンダーの壁や特に意識していることをお話しいただき、今の社会で問題になっていることなどに気付く機会としました。

辻氏のお話しから
・世の中で感じるステレオタイプを自分のアウトプットで オセロのように少しずつ変えていきたいと思っている。
・資金調達面からしても男性が多く、意思決定の場に女性は 全体の5%しかいないので、まだまだ山を切り崩していく必要がある。
・在学中に起業し、最初は両立できていたが仕事が楽しくて150%仕事に向き合ってしまった。社会人になってもう一度大学でしっかりと学びたいと思うことがある。両立も大事だが、学業に向き合うこともよい選択だと思う。
・時代の流れはあるが、ジェンダーの問題についてはこの2年で変わってきたし、豊かさの形も変わってきている。私たちの時代の豊かさは自分たちでつくっていくとよい。

「政治とジェンダー」をユースと考える

日本のジェンダーギャップ指数の中で最も遅れている政治分野に焦点を当てて、実際に国政に携わる野田聖子衆議院議員と伊藤孝恵参議院議員をお迎えし、「日本で女性が政治に関わることへのハードルに感じていること」や、「女性が意思決定の場になぜ必要なのか」をお話しいただきさまざまな問題に気付き、その問題を自分ごととして捉え、考える機会としました。

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野田議員のお話しから
・一般女性の声から始まった法律は多い。さまざまな問題意識 をもった女性は法律の起案者となれる。
・自民党はまだ9割が男性。女性が増えれば女性ではなく個性 として強みとなる。
・国会の予算として子育てやジェンダーの問題はおまけ的な予算である。センター的な予算が付くようになることが必要。
・ジェンダーの前に大切なことは自分が唯一無二の存在であることに気付くこと。人は一人では生きられないし、人の役に立つ存在である。女性男性を言う前に個人をリスペクトして背伸びせず、一歩ずつ進んでほしい。「可能性は無限大」である。

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伊藤議員のお話しから
・若い頃の心振るわされる経験や出会いは大切である。たくさんの人と出会って、たくさんの経験から生まれた 感情から、さまざまなことを見直す意識が芽生える。
・幼少期からのアンコンシャス・バイアスに対する教育や、アフターピルの問題など、さまざまな課題について指差し確認はできている。重要性は認識されているのに、話し合いをしてこなかったことが問題である。男性ばかりの議論で、ジェンダー政策を必要と言いながら本質的に見直しの必要性はないと思っている現状を変えていく必要がある。
・一人で言っているだけではそれは愚痴である。二人で言えば意見になる。三人で言えば兆しになる。大勢で言えばうねりになる。皆さんにもうねりをつくっていただきたい。発火点が多いほど明るい未来になる。

わたしの声から広がる世界
~Are you ready to speak out?~

内閣府男女共同参画局長の林伴子氏、#みんなの生理 代表の谷口歩実氏、 一般社団法人NO YOUTH NO JAPAN 代表の能條桃子氏をお迎えし、公益社団法人ガールスカウト日本連盟 秋山和沙理事とともにジェンダー平等の実現に向けての課題や今後の展望をお話しいただき、社会を変えていくためにどのように行動していくとよいのかを考える機会としました。

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林氏のお話しから
・第5次男女共同参画基本方針に対するパブリック コメントは6000件届いたが、若い方々からの声は 具体的で切実なものが多かった。施策を反映するには 議論が必要で、化学反応を起こしていくことが大事である。違う意見を言っていくことで違う元素が結びついて化学反応が起きる。イノベーションしていくことが大事である。若い人たちからの声は力になる。
・日本のジェンダーギャップ指数が下がっているが、日本が何もしなかったということではなく、他の国がどんどん取り組んだのに対し、取り組みを進めることができなかったために周回遅れになってしまったことが現状である。順位を上げるためには速度をあげなくてはいけない。
・社会は変わるし、変えられる。声をあげれば変われると申し上げたい。日本の国会の2/3は50代以上の男性である。まずはここを変えていかないと日本の未来はない。女性の関心のある議論ができるようにしていくためには、女性議員を増やすことも大事であるし、若い人々の声は非常に大事である。

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谷口氏のお話しから
・生理や緊急避妊薬といった視点を使って、教育や 貧困政策に対してジェンダーというフィルターをもって見ることが大切。まだ教育についての直接的アプローチはしていないが、偏った考え方があるので、小さいときから性に対する教育の必要性を感じる。
・社会を変えていくために、一団体にしがみつくよりは、それぞれがそれぞれの場所でできることを変えていけるように取り組んでいくことが大事。アクティビストはお金も時間も心の労力もかかるので、皆で分担して同時多発的に社会を変えるために取り組んでいけるとよい。
・声をあげるとは大きいことのように思えるかもしれないが、小さいこと、自分がモヤモヤしていることは自分を信じて声に出していくことが大事。

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能條氏のお話しから
・デンマークに留学をしていたが、デンマークではユース 年代の投票率が80%を超えているのに対し日本では30%程度である。日本との差を考えたとき、デンマークでは若者同士が政治の話をしたり、若者の声が政府に届いていていることに気付いた。日本では友人間でも政治の話をしておらず、そもそも学校で政治について学ぶ機会がなかったと感じた。そのためどんな政党があるかなども知らない若者も多い。
・若い世代の活躍の場が少ない現状がある。上が詰まり過ぎている。大臣も50代以上で80代もいるし、議員になれる年齢も高く、女性が少ないなど意思決定の場に多様性がないことに問題を感じている。多様性がないことで、進むべきことが進まないと感じている。
・モヤモヤとかこれはおかしいというような青臭い正義感を大事にしてほしい。気付けることが貴重なことで、ユース年代の方が気付くことは多い。声を上げることができなくても、自分を責めず、できるときにできることをするというマインドでいてほしい。仲間が増えることはうれしいことである。

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秋山和沙 日本連盟理事の話から
自分らしく生きることのできる社会、自分のやりたいことを自己実現ができるようになるような社会になるように発信をし続けたい。団体としての2032年の目標は、「自分らしく」ということをキーワードにしているので、ジェンダーの取り組みをコラボレーションしながら広めていきた。また当事者である少女たちの声を調査をしながら、子どもたちに向けても伝えていきたい。

クロージング

2日間をふりかえり、実際にどのように声を上げていけばよいか、アドボカシープロセスの一例を踏まえ、これから皆さんと一緒に「SDG5ジェンダー平等を達成しよう」に向けて声を上げていくことを確認しました。

参加者の「SDG5の達成に向けて声を上げてみたいこと」
・教育環境におけるアンコンシャス・バイアスをなくすために声を上げたい。
・小さなことでもモヤモヤを大切にしたい。
・すべての人が自分らしくあれるよう、性別にとらわれず、みんなが行動できるような環境にしていきたい。
・一人ひとりが生きやすい社会になるようにあきらめず考える。
・自分の気持ちを正直に、自分のために行動することを恐れない。みんなでよりよい社会を作り上げていきたい。

グラレコ

グラフィックレコードをダウンロードする(PDF)

2020年度国際ガールズメッセプレイベント開催

2020年10月10日、11日に国際ガールズメッセプレイベントをおこないました。 テーマである「わたしの声から広がる世界」の一歩を踏み出しました。

イベントの様子

プログラム

100周年オンラインセレモニー

秋篠宮佳子内親王殿下
提供:宮内庁

秋篠宮佳子内親王殿下よりお言葉をいただいたほか、会長の言葉、全国47都道府県連盟の紹介、コミュニティアクション チャレンジ100アワード受賞者の活動報告を、全国のガールスカウトたちが同時に視聴しました。

秋篠宮佳子内親王殿下のお言葉(PDF)

100年の活動をふりかえり
未来へつなげよう

プログラムイメージ

中学生~ユース年代のガールスカウトたちと和田会長が、ガールスカウトがいかにジェンダー問題とかかわってきたか、歴史をふりかえりながら、今後の展望を広げる語り合いをしました。

ガールスカウトカフェ

プログラムイメージ

中学・高校生年代のガールスカウトが、将来のことなどについて先輩のガールスカウトと話すことで、自分の可能性を広げることができました。

#じぶん部
女子高校生調査2020発表

プログラムイメージ

#じぶん部 女子高校生調査2020発表」では、広く一般の方に向けて女子高校生調査の結果を発表したり、同年代の高校生参加者とジェンダーについて一緒に考えたりする機会となりました。

YouTuberシオリーヌの
「発信し続ける力」

プログラムイメージ

日頃、性教育について発信をしているYouTuber シオリーヌ氏をゲストスピーカーとして迎え、シオリーヌ氏の話をとおして、性教育の重要性を改めて考え、どのように伝えていくとよいのかを一緒に考えました。
【性教育YouTuber】シオリーヌYouTubeチャンネル

#KuTooに見る
ジェンダーバイアス
~私が声をあげるなら~

プログラムイメージ

#KuToo署名発信者の石川優実氏をゲストスピーカーとして迎え、石川氏ご自身が声をあげるにいたった経緯などを伺うとともに、ジェンダーの課題を自分ごととして考え、自分だったらどうするのかを一緒に考えました。
石川優実オフィシャルウェブサイト
ライブ配信動画(YouTube)

開催概要

開催日2020年10月10日(土)および2020年10月11日(日)
開催形式ZoomおよびYouTube Live等を予定
後援渋谷区、ESD-J、ESD活動支援センター
文部科学省、内閣府、渋谷区教育委員会

なお、この事業の一部は子どもゆめ基金助成を受けて開催しました。

子どもゆめ基金助成活動