おかげさまで日本のガールスカウト運動は100周年を迎えました
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女性がもっとチャレンジして
日本をよりよく変えていく原動力に

小池 百合子
(東京都知事)

ガールスカウトの若者2人と和田照子会長が小池知事にお会いし、ガールスカウト100周年のテーマ「Challenge、Change、For her world」をキーワードにインタビューしました。日本ではいまだ数少ない女性の知事、政治家としてご活躍ですが、その背景にあるガールスカウトで得た力や、社会で女性が活躍する必要性などについてお話をうかがいました。

ガールスカウト活動を通じて養えた「そなえよつねに」

左からインタビュアー:海野友希乃(長野県第8団)、尾﨑柚子(茨城県第23団)右端:和田照子日本連盟会長

- ガールスカウト活動で学んだことが、今の自分やお仕事に与えている影響はありますか?

ガールスカウトは私の人生にとても役に立っています。
一つは、サバイバルの方法を教えてもらったこと。火起こしからロープのつなぎ方、テントの張り方、飯ごう炊飯など、いろいろなことを実際にした経験は、未だにコツを覚えています。それらの学びを一言で集約すればガールスカウトのモットー「そなえよつねに」。英語で「Be Prepared」あらゆることに備えよ、という意味ですね。

例えば昨年は、東京も各地も台風の被害で大変でした。そのときに備えができているかどうかは、重要です。東京都知事は1,400万人の命を預かっていますから、備えていくのは当然のこと。その心構えが、ガールスカウト活動を通じて少しでも養うことができていたのであれば、知事としての役割が果たせるのではないかと考えています。

そして先輩として、もう一つ。いろいろ教えてもらえるリーダー(指導者)の存在からは、リーダーシップを学べます。私が小学生から中学生まで続けていた間に、いろいろな先輩に教えていただいたことは、とても大きな糧になっていますね。

ただ、政治の世界に入って長くなりましたが、この世界でロールモデルが誰かは、残念ながらまだまだ模索している状況ですね。

中東の大学への留学からチャレンジの連続

- これまでご自身が「チャレンジ」してきたことは?

ずっとチャレンジしています。中東の大学への留学は、大きなチャレンジでした。
テレビの世界で仕事をするのもチャレンジ。毎日いろいろなゲストの方にお会いするのも、日々挑戦だったように思います。
その後、政治家になりましたが、選挙では皆さんに自分の名前を書いてもらわないと何も始まりません。それこそチャレンジの塊みたいなものです。「こういった政策をやります、こんな東京にします」と申し上げて、それに対して皆さんが「よし、やってみなさい」と意思表示をしてもらうわけです。それは非常に大きなチャレンジです。

何にでもチャレンジできる今の時代に生きているのだから、チャレンジしないほうがもったいない

- これから女性が社会を変える、「チェンジ」する力になるには、どのようなことが必要だと思いますか?

先程のご質問にも重なりますが、何事にもチャレンジしてよいと思いますね。
例えば日本の女性は奥ゆかしいと言うか、女性だからとか、自分で自分の領域を縛ってしまう傾向があります。世界を見ると女性だからだなどと言う制約はありません。女性のパイロットもいますし、フィンランドでは世界最年少の34歳女性の首相が誕生しました。そういう意味では、昔と違って何にでもチャレンジできる今の時代に生きているのですから、チャレンジしないほうがもったいないと思います。
私は日本の国を変えていく、よりよくしていくためには、もっと女性がチャレンジをして、世の中を変えていく原動力になってくれればよいと思っています。

今の時代にあって何ができるのかを、みんなで考え、みんなで実行してほしい

- これからのガールスカウトや、若い少女や女性に期待することがあればメッセージをお願いします。

100年一世紀の間、ガールスカウトが世界中で続いてきたのは、そこに目標があったり、伝えるメッセージが明確だったりするからだと思います。「そなえよつねに」のモットーもそうですし、困った人を助け支援するといったさまざまな活動が、社会的にも意義があるからこそ続いてきたのだと思います。
この100年の変化のスピードは信じられないくらい大きな変化です。100年を待たずとも10年、場合によっては1年でガラッと変わるような、そういうスピード感ですよね。
私はぜひガールスカウトのモットーや活動は変わらずにいてほしいと思います。ただ、社会が大きく変わっていきますから、そういう社会変化の中で、ガールスカウトとして何ができるのか、今の時代にあって何ができるのかを、みんなで考え、みんなで実行してほしいと思います。
100周年おめでとうございます。がんばってください。

和田会長:
ありがとうございます。ガールスカウトは、自分で考えて行動できる女性を社会に送り出すことを使命に取り組んでいますので、いまの小池知事の言葉を私たちが実行できるように力を付けて、目標をもって頑張っていきたいと思います。

プロフィール

小池百合子(こいけゆりこ)
東京都知事。元防衛大臣。元内閣総理大臣補佐官(国家安全保障問題担当)。元環境大臣・内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策)。元自民党総務会長。1952年7月兵庫県芦屋市生まれ。1976年カイロ大学卒業。88年から『ワールドビジネスサテライト』(テレビ東京)の初代キャスターとして活躍(~92年)。1992年7月から参議院議員1期、衆議院議員8期連続当選。2003年9月環境大臣就任。翌年9月沖縄・北方対策大臣を兼任。2007年7月防衛大臣。2008年9月自由民主党総裁選挙に立候補。2016年8月、東京都知事に就任。2020年東京パラリンピック大会会場を満席にすべく、準備に取り組んでいる。

ガールスカウトにはブラウニー兵庫県第1団・ガールスカウト兵庫県第20団(当時の団名)に、小学校1年生から中学3年生まで9年間在籍。現在も芦屋スカウト育成会特別会員としてガールスカウトたちを見守っている。

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