2019年4月1日から2020年5月6日までに、活動報告のあった2019年度の「プロジェクト」60件について審査の結果、以下のとおり決定しました。 2020年の受賞チームによる発表は国際ガールズメッセプレイベント、オンラインセレモニー内でおこなわれました。
グランプリ 1グループ
楽しく遊ぼう・楽しく食べようプロジェクト
チームメンバー:高校生年代
- ビジョン
共働きの家庭が多く、地域の交流が減少してきている現代社会の中で、世代を超えた交流のときを持つことができ「孤独」をなくすことができる場が確保されている社会になる。 女性がはたらきやすい環境になることで子どもたちも生き生きと生活ができるようになる。 - 活動を始めたきっかけ
卒業生が運営している子ども食堂が地域にあることを知り、はたらく女性とその子どもたちを自分たちで支援できないかと考えた。 - 活動内容
学校内で参加者を募り、小学生を対象に放課後夕食を提供している子ども食堂を5月から定期的に年間35回にわたり訪問し、運営者が1人で夕食を準備している間、小学生と一緒に遊んだり宿題を手伝ったりした。 また、経済支援のために園芸の授業で収穫した野菜や米を子ども食堂の食材として提供した。2月には全校生徒に向け子ども食堂の紹介と1年間の活動報告をおこなった。 - ゴール
定期的かつ継続的に一年間子ども食堂に訪問する。そのことにより子どものいる女性が安心してはたらきやすくなること。その子どもたちが楽しく学校以外の時間も生活できるようになること。 - コミュニティに起きた変化
自立した働く女性の姿を実際に体験を通して見ることで、将来私たち女性があるべき姿を意識するようになった。 この地域にある学校の生徒としての自覚を持つようになった。 子ども食堂にきている小学生たちが、年の近い中学生や少し年の離れている高校生と関わることで、コミュニケーションの場が増え、より社交的になった。 中高生が訪問することで大切にされる存在だと気付き小学生の自己肯定感につながった。 - 今後の活動
子ども食堂の活動を継続し、さらに子どもたちや働く女性の支援をしていきたい。 さらにこの地域だからこその女性の悩みに着目し、活動の幅を広げていきたい。 身近な奉仕活動を通じて、生徒一人ひとりが社会に貢献できる存在だと実感してもらいたい。
コミュニティアクション賞 3グループ
しんじょうの⾼校⽣から世界へ愛を叫ぶ︕︕〜LGBTQ+をともに考えよう〜
チームメンバー:高校生年代・大学生年代・成人
- ビジョン
LGBTQ+は特別ではない。そのことをまわりの同級生から地域へと広めたい。SDGsにあるジェンダー平等を実現するための⼀歩をこの新庄・最上地域の⾼校⽣に発信していく。もっと多くの⼈たちに、ジェンダーの枠にとらわれずさまざまな多様性を認めてもらい、一人ひとりが住みやすい日本、地域にし、HAPPYな⼈⽣を歩んでもらいたい。 - 活動を始めたきっかけ
異質な自身の存在と周りに認められたいという気持ちの間で葛藤し、生きづらさを抱えているLGBTQ+について、もっと多くの人たちに知ってもらい、またジェンダーの枠にとらわれず多様性が認められ、一人ひとりが住みやすい日本、地域にしていきたいと思ったこと。 - 活動内容
県立・私立図書館などの公共施設、高校など8カ所で高校生による写真・パネル展示をおこない、見学者に感想をもらった。また地域の大人、学生、教師を交えて読書と対話によるワークショップを開き、互いの立場を尊重しながら、LGBTQ+について共有・理解し、高校生のみならず地域・学校も多様性を受容し広げていく必要性を学んだ。 市の施設においてカミングアウトしたタレントを招いてLGBTQ+をともに考え、多様性を受容できる社会についての講演会を開き、学生、一般含め147人の参加者があった。 これらの活動により、90人の大人の地域メンター(助言者・支援者)を得た。 - ゴール
⼭形県からLGBTQ+を発信し、多くの方々にその存在を認知してもらえるようにする。⼩さな町から⾼校⽣が中⼼となりダイバーシティ社会を構築することを目指す。 - コミュニティに起きた変化
今まで性的マイノリティに偏⾒を持ち、特別視していた高校生や大人に正しい情報を伝え、まずは知ってもらえたことが⼤きな変化である。そして、私たち高校生が当事者意識を持ち活動をおこなったことで、地域の大人たちにも全⼒で応援してもらい、活動を⽀えてもらった。そんな地域コミュニティを形成できたことも良い社会へつながった。若者のために何か協力したいと思っていたけれども、具体的には何をすれば分からなかった大人の思いの受け⽫になったことも⼤きな成果のひとつである。 - 今後の展望
次の世代の私たち高校生が、私たちの町でHAPPY な人生を歩んでいくために、今この地域に何ができるかをもう⼀度考え、次のアクションにつなげたい。性的マイノリティも大切であるが、今後さまざまな多様性を認め合い、受容できる新庄最上のくらしを考え、その理解の輪を私たち高校生から発信していきたい。
for smile😊
チームメンバー:中学生・高校生年代・成人
- ビジョン
ガールスカウトの活動でたくさんの⼈を笑顔に - 活動内容
宮崎県庁でのパープルリボンキャンペーンのイベントに実行委員メンバーとして参加し、企画・運営に積極的に携わり、当日は高校生3人がジェンダーバイアスにより起きている問題や解決に向けた活動についてのスピーチ、ブローチの配布、フラッシュモブなどおこなった。 また、ポスターによる啓発活動、ラジオの生放送出演、中高生や保護者、大人を対象としたインターネット安全教室の運営などをとおして、をネット被害の未然防止策について学んだ。 これらの活動について、SNSや広報誌を通じて発信した。 - 活動を始めたきっかけ
未だに⼥性に対する考え方・固定観念にとらわれて、女性は地位が低い、家庭にいるべきなどの考え方を持っている⼈が多いと思ったため。女性に対する考え⽅を変えよう、などジェンダー平等を実現するための記事やニュースなどに多く触れ、宮崎でジェンダー平等のためにどう⾏動できるか、何ができるかと考えたときに、ガ-ルスカウトで学んだことを生かして、より多くの人に男女は平等であること、女性が暴力を受けていることを知ってもらい、1人でも多くの人に考え、行動を起こしてほしいと思った。 - ゴール
ガールスカウトで作成した少女や女性に対する差別や暴力をなくすためのポスターを県内各地のいろいろなところに掲示し、自分を⼤切にすること、女性への暴⼒や差別など、今の女性達が直⾯している問題をより多くの人に知ってもらう。また宮崎県内のガールスカウト会員だけでなく、学校や地域の人たちにも正しい知識を持ってもらう。たくさんの人の笑顔に繋げる。 - コミュニティに起きた変化
⼀般の方にガールスカウトの少⼥や女性に対する暴力をなくすための活動を知ってもらえた。 パープルリボンキャンペーンにさまざまな形で県内のガールスカウトや成人会員が関わり、知識を広め、意識を⾼めることができた。インターネットの安全教室を開催することで、トラブルを回避する方法を学ぶことができた。 - 今後の活動
今回の活動を継続しておこなっていきたい。 また、女性に対する暴力をなくすための活動に関わるパープルリボンのネットワークの他団体との連携を深め、女性に対するさまざまな問題を解決するための知識を深める勉強会を開催したい。 性暴力のない社会になることを願い、宮崎市内でおこなわれているフラワーデモに参加したい。
ながののこども支援プロジェクト
チームメンバー:高校生年代・大学生年代・成人
- ビジョン
避難所生活を余儀なくされている家族の方々が、安心した生活にもどれるようになり、特にそこで生活をする少女たちの笑顔が見られるようになる。 - 活動を始めたきっかけ
2019 年10月の台風19号において、長野市は千曲川の決壊により今までにない被害を受けた。身近な地域で起こった出来事に、ガールスカウトの私たちにできることは何かを考え、災害規模が最も大きかった地区の避難所の様子を聞きプロジェクトを立ち上げようと思った。 - 活動内容
台風19号で被災し避難所で生活している少女たちのための活動を企画し内容を高校生年代で考えた。チャイルドファンドジャパンに呼びかけ、資金援助を得た。また県・市の教育委員会等から後援を得てちらしを作り、被災地域の学校に配布した(2000 枚以上)。 12月28日に「Friendship Day」としてプログラムを実施。クッキーデコレーション、ピタパンやパフェ作り、オリンピックにちなんだゲーム、新体操グループの発表と体験などを地区のガールスカウト、成人会員とともにおこなった。 2月にはワールドシンキングデイプログラムをおこない、被災地域の子どもに参加してもらった。 - ゴール
ガールスカウトで企画したイベントを運営し、そこに被災された地域の子どもたちを招き、一緒に楽しめる時間を過ごすことを一度きりにせず、月に1回の集会に参加してもらえるようし、夏のキャンプを一緒に体験してもらえるようにする。 - コミュニティに起きた変化
企画した少女と若い女性にとっては、災害非常時の子どもたちのメンタルや不自由な生活を送るという事態について、身近に感じる機会となった。少女のやりたい事に耳を傾け、どう実施してあげることが好ましいかを、自分の少女時代に重ねて真剣に考えることができた。また、外部団体と柔軟にプロジェクトを進めていく力をつけた。 ガールスカウトの中でも、このプロジェクトに賛同してもらうことができたが、他団体にも影響を与えることができた。 避難所の少女の声を形にしたものであったが、男の子の参加もあり、みんなが笑顔になるになる機会となった。 たくさんのボランティアが主に解体作業や泥のかい出し等の作業に入っていた。子どもたちに目を向けたボランティアもいくつかあったが、少女と若い女性が実施したものとして新聞等2 社が紹介してくれた。 - 今後の活動
一人ひとりの小さな行動が被災地を早く復興させることができるということを学ぶことができたので、ガールスカウトの一員として、ひとりの人間としてできることを探していきたい。
日能研賞 1グループ
しんじょうの⾼校⽣から世界へ愛を叫ぶ︕︕〜LGBTQ+をともに考えよう〜
チームメンバー:高校生年代
チャレンジ賞 2グループ
ライトアップin 大川 ~パープル(紫)編~
チームメンバー:成人
- ビジョン
「女性に対する暴力をなくす!~パープルリボン運動~」が広く知られ、男性にも女性にも『暴力はいけない!』『一人で悩まずに相談する』ことが浸透し、暴力のない安心・安全な明るい社会になること。 - 活動を始めたきっかけ
毎年パープルライトアップは都市の主要施設でおこなわれていることはニュースで知っていたが、地元の観光施設等は毎夜七色のライトアップがされているが活用されていないことに気付いた。パープルライトアップ運動はこれまで大川市ではおこなわれていなかったが、『女性に対する暴力をなくす運動』に取り組み、それは私たち女性から発信しようと考え、2つの観光施設のライトアップを関連付けることにより発信力を高めようと考えた。 - 活動内容
関係先(市役所、観光施設等)へライトアップ実施に向けて許可と具体的な日程を打ち合わせ、調整し、取組内容に多くの賛同を得て実施。ポスターやチラシの作成、各種メディアへの記事掲載を依頼した。掲載記事等は、広報誌、新聞、ラジオ、SNS、地域イベントでさまざまな年代に向けて発信した。
内閣府のパープルライトアップキャンペーンの参加と地元キャラクターのパープルリボン着用写真の掲載にも取り組んだ。
●掲載記事等詳細
・【市内広報誌】大川市報(11/1 号)、(1/1 号) ・【地元新聞】有明新報(11/14)
・【地元ラジオ】FM さが(11/18 番組内でメッセージ)
・【SNS①】GS F23 団内のブログ発信
・【SNS②】フェイスブックの投稿
・【地域イベント①】10 月大川木工祭り
・【地域イベント②】11 月市内ミニ映画祭
・【地域イベント③】11 月市文化祭表彰式 - ゴール
国指定重要文化財である大川市の観光名所 筑後川の可動式橋梁「昇開橋」と地域の基幹産業の一つである木工を代表した「組み立て式茶室(MUJYOAN)」を活用し、この2カ所を11月にパープルライトアップすることで「女性に対する暴力をなくす運動」が市民及び地域に浸透し、毎年11月に必ずライトアップするような長続きする活動にする。 - コミュニティに起きた変化
ガールスカウト会員およびその保護者もライトアップされた施設や各種媒体(SNS 他)での掲載写真を見て大いに興味をもち身近に感じることができた。市担当職員も協力的で、思いがけず1/1 号の市報で記事を掲載してもらえたことで私たちの活動がより認知された。また、外部団体(大川女性ネットワーク)にもこのパープルリボン運動をきっかけに協力することができた。 - 今後の活動
一過性で終わることなく、今後もガールスカウトとして継続して取り組み、関係先(市役所、市教育委員会、女性ネットワーク等)と連携を強化していく。さらに具体的な内容、より分かりやすいPR を目指す。また、幼児虐待防止月間(11月)も同時に含めて活動すること、少女たちと一緒に取り組める内容となるよう工夫をする。
自分たちの輝く未来のために
チームメンバー:高校生年代
- ビジョン
これから社会を担う若い女性も男性も、仕事と育児を両立することができる社会をつくる - 活動を始めたきっかけ
2019年8月全国キャンプ(戸隠)の「子どものための人権教育プログラム」でジェンダーによる差別を学び、これから社会に出る私たちにどんな影響を与えるか調べてみたら、「家事育児は女性の役割」という固定観念がいまだに強く、仕事の継続やキャリア形成を妨げていると知った。 文京区の成澤区長は首長として全国で初めて育休を取得したが、10年たった今、男性の育休取得がどういう状況なのか、取れない場合は何が問題なのか調べてみようと思った。 - 活動内容
11月にアンケート作成し、区内のボーイスカウト、ガールスカウトの保護者、関係者、知人を中心に120 枚配布し協力を依頼した。12 月に アンケートを回収(76枚)。
育児休業中の女性にインタビューし、仕事と子育ての両立などについて質問した。 また、文京区議会議員の宮野ゆみこさんにインタビューし、制度や子育て支援の現状を学び、課題や提案を考えた。
この問題についてこれから社会に出て子育てをする世代の男性に知ってもらうために、アンケート結果に私たちの意見や提案を加えてまとめ、文京区ボーイスカウト連絡協議会の合同集会で1月に発表・展示し多くの来場者があった。展示以外にもデジタルデータとしてまとめ、辻清人衆議院議員、成澤廣修文京区長、2人の文京区議会議員(白石英行さん、宮野ゆみこさん)に渡した。 - ゴール
育児は女性だけの役割ではないということの理解を広める - コミュニティに起きた変化
展示を見た大学生や保護者、20代30代の男性から、このプロジェクトへの励ましや共感を得た。ちょうど現職大臣の育休取得がニュースになっていたので、いろいろな意見を得ることができた。 - 今後の活動
育児以外にも、ジェンダーに関わる固定観念を男性にも女性にも気付いてもらえるように、課題を見つけて発信したい。