第6回コミュニティアクション チャレンジ100 アワード(2024年)受賞チーム

2023年11月1日から2024年3月31日までに活動報告のあった、2024年度「プロジェクト」13件について、書類およびプレゼンテーションにて審査の結果、以下のとおり決定しました。 10月6日(日)ガールズメッセ2024にて受賞チームの活動報告と表彰をおこないました。各チームの活動内容をご覧ください。

  • 11月15日(金)に活動報告動画と活動内容詳細を掲載しました。

グランプリ 1グループ

地域の未来を創るパープルリボンプロジェクト

チーム名:Missionパープル

チームメンバー:高校生

  • ビジョン
    「性別関係なく誰もが安心して幸せに暮らせる社会」(昨年より継続)
    →女性だから、男性だからと自分の性別やジェンダーギャップに悩んだり、暴力を受けたりすることがなく、それぞれが自分らしく安心して幸せに暮らせる社会。
  • 活動を始めたきっかけ
    2022年夏に参加したガールスカウト日本連盟100周年記念インターナショナルキャンプで「ジェンダーや女性に対する暴力といった問題は、古くからの固定観念や無知ゆえに引き起こされていることが多く、被害を受けている少女や女性の当事者だけではすぐに解決することはできない」と学び、より多くの人に興味、関心を持ってほしいと思い、活動を始めた。昨年度のプロジェクトを通して「女性に対する暴力」という社会問題は、加害者やそれを取り巻く地域社会の環境が大きく影響を及ぼしており、多角的・地域包括的な観点から解決策を見いだす必要があると学んだため、今年度は、行政へのアプローチを基軸に、活動を発展させることとした。
  • 活動内容
    昨年度のゴール「清水の街でパープルライトアップ」を継続し、今年度はさらに3つのプロジェクトの柱を定め、活動した。
    ・「行政・地域企業との共同事業の実施」:清水区役所職員に向けて「女性に対する暴力をなくす」ことに向けたプレゼンテーションとディスカッションを含めたワークショップ実施、パープルリボン啓発装飾、区役所内ショップとコラボレーション商品販売など
    ・「若年層教育」:同じ団、同じ年代で別の地域のガールスカウトにパープルリボンの説明、普及を具体的に依頼した。ガールスカウトの小学生年代約80人に講演。また学校の同級生と先生方約150人にスピーチを実施し、143人がパープルリボンを着用した。
    ・「活動のグローバル化」清水港に来航した海外の方へパープルリボンについて説明、インドサンガム派遣先で出会った世界のガールスカウトの仲間へ、働きかけた。
  • 活動の成果
    ・女性に対する暴力をなくす運動の期間中の、行政の取り組みを起こすことができ、清水区が「女性に対する暴力をなくす運動に取り組む街」になった。
    ・清水の街でのパープルライトアップが実現した。
    ・行政を通して、社会福祉法人が活動をおこした。さらに説明を聞いた学生が活動をおこなうなど、活動の輪が広まった。
    ・若年層教育を通して、これからの未来を創る人材である子どもたちの意識が変化した。
    ・日本以外の国に住む人々がパープルリボンを知った。
  • 今後の展望
    ・継続的な行政・地域企業との連携
    ・活動の後継者探し

コミュニティアクション賞 2グループ

パープルBook大作戦

チーム名:パープルリボンシスターズ

チームメンバー:中学生、成人

  • ビジョン
    SDGs目標5「ジェンダー平等を実現しよう」
    パープルリボン運動を多くの子どもたちに知ってもらうことで、子どもへの性被害がなくなること、また性別による無意識の思い込みが無くなる社会が実現されること。
  • 活動を始めたきっかけ
    パープルリボン運動に取り組むうちに、被害に遭うのは大人だけではないことを知った。
    内閣府から発信されている情報は大人向けだと感じたので、小学生や幼児などの子どもが理解できる内容を絵本で伝えたいと思った。
  • 活動内容
    ・パープルリボン運動とジェンダー平等に関する資料を基に、絵本にする内容を『プライベートゾーン』『メディアリテラシー』『ジェンダーバイアス』に定めた。
    ・図書館の児童書コーナーで絵本の大きさや構成、ページ数などを調べ、小さな手に持ちやすいA5サイズで、飽きずに読むことができる全20ページの絵本を制作することにした。
    ・分かりやすい文章と、スマートフォンとタブレットを用いたイラストで、100冊を制作。
    ・市内の子どもフェスティバルでパープルリボンづくりのワークショップと共に、絵本を販売し、小学生や幼児、親子、大人に広めた。
  • 活動の成果
    ワークショップには幼児から小学生までの子ども達約70人と、一緒に来場した大人約60人が参加。絵本販売数は30冊。ワークショップでの制作と絵本の内容を結び付けて説明することで、「知らなかったことが理解できた」「紫色のリボンの意味がわかった」という声が聞かれた。絵本については「自宅で子どもと一緒に繰り返し読みます」という声が聞かれ、子どもの身を守るために、多くの大人たちが共感してくれた。
  • 今後の展望
    ワークショップでは伝える範囲が限られたため、今後はクラウドファンディング等で賛同者に絵本を届け、売り上げの一部をジェンダー平等に取り組む団体に寄付したい。
    団のSNSをもっと活用して絵本のことを知ってもらいたい。

ロヒンギャ難民キャンプ女性支援

チーム名:あづゆず

チームメンバー:高校生

  • ビジョン
    難民について知ることで、募金をしてみる、CMに目を留めるなど、少しでも他人のことに関心を向ける人が増え、優しさを分け合える人であふれる社会になること。
  • 活動を始めたきっかけ
    館林市で開催された「ロヒンギャを知る旅」で、想像を絶する難民キャンプの現状を学んだ。そんな中、女性の写真は小さな女の子や年配の女性しか見当たらず、私たちと同年代の女の子が写っていなかったこと。女の子は初潮を迎えると学校をやめて家事や兄弟の面倒を見ること、さらに女の子は日中トイレに行くのを我慢して夜になってから行くことが多いと知り、衝撃を受け、同年代の女の子たちに支援を届けたいと思った。
  • 活動内容
    自分たちで自分たちで制作した商品を地域のマーケットで販売しながらロヒンギャ女性問題について展示説明、また幼稚園~小学生向けの英語ワークショップをおこない、資金を集めて100個の懐中電灯を購入、鉛筆やヘアピンと共に難民キャンプの少女たちに贈った。
    専門的な知識を得るため、ロヒンギャ問題に携わる方々5人以上に話を伺い、新しい見解を見つけ、多角的に問題と向き合った。
  • 活動の成果
    ・懐中電灯・文具の支援により、女の子たちが危険の多い夜でも安心して歩けるようになった。学ぶ意欲も聞こえ、難民キャンプで暮らす女性・女の子達の生活の向上に貢献できた。
    ・懐中電灯を買うための物販やワークショップを通して、多くの人にロヒンギャ難民キャンプで生活している女性の現状を知ってもらうことができた。
  • 今後の展望
    女の子に学びの機会を与えたい。オンラインでの教育プログラムの提供を考えている。この活動を通して出会った方々と協力しながら、学校や地域でも講演会など新たな取り組みをし、支援を続けていきたい。

日能研賞 1グループ

ガールスカウトがつなぐ畑の恵み・幸せの輪

チーム名:スカウト菜縁

チームメンバー:小学生、中学生、成人

  • ビジョン
    ガールスカウトの畑からたくさんの人を笑顔にする。
  • 活動を始めたきっかけ
    団の集会場所の近くが長年荒地となり、高齢の地主さんにとっても近隣の方にとってもお困りごとになっており、ガールスカウトできれいにしたいと考えた。よみがえらせた畑で無農薬野菜の栽培や収穫体験を通して多くの人にその恩恵を受けられるようにしたいと思った。
  • 活動内容
    ・地域の方に支援いただき、集会や自主的な手入れにより、2カ所の畑で、年間を通して21種類の作物や花を無農薬・有機栽培した。
    ・社会福祉協議会の宅食事業、子ども食堂、ひとり親支援食堂事業へ野菜を寄付した。

・キャッサバを栽培し、タンザニアの学校や在住外国人の方、留学生と料理を通して交流した。
・ひまわり1,000本を育て、町の灯籠祭りに展示、役場や駅の装飾に活用した。
・農作物を使った調理体験をおこなった。
・自治体に活動を報告したり自治体主催の勉強会に参加したりして、連携づくりをおこなった。

  • 活動の成果
    環境美化と共に、収穫物を通した交流を生み出すことができた。ひまわり栽培を通して、地域の方に楽しんでもらえた。野菜の寄付や野菜販売の収益の寄付で、貧困問題の解決に役立てた。
    地元でもサステイナブルなまちづくりを目指し「オーガニックヴィレッジ」宣言がおこなわれ、地域で有機栽培に力を入れ始めたため、自治体からの活動への関心が高まり、連携が深まる兆しが見えた。
  • 今後の展望
    年間を通してフードバンク、子ども食堂に収穫物を提供、また加工品の販売で収益を寄付したい。
    農業体験、自然体験の機会を他団体や地域に提供したい。
    さまざまな収穫物で季節のイベントでの地域交流や外国の方との交流を深めたい。
    地域のネットワークを作って農業や環境への知見を深め、SDGsに取り組みたい。

チャレンジ賞 2グループ

みんなde照らす!!パープルリボンキャンペーン

チーム名:ひなたザウルス2023

チームメンバー:小学生、中学生、高校生、大学生、成人

  • ビジョン
    女性や少女へのあらゆる暴力が無くなり、誰もがSOSを出せる社会。
  • 活動を始めたきっかけ
    これまでガールスカウト宮崎県連盟は積極的にパープルリボンキャンペーンに参画し、活動を継続している。2021年2022年にCAC100チャレンジ賞を受賞したことで、 宮崎全県下での取り組みの機運が高まった。男性の参画はまだ少ないため、働きかけたい。活動をレベルアップして幅広い世代に周知を図り、 県におけるジェンダーギャップ指数をより高め、ジェンダー平等を実現したい。
  • 活動内容
    都城市、延岡市、宮崎市男女参画センターと連携し活動。県内4カ所でパープルリボンキャンペーンに関するイベントを開催。
    パープルリボンクラフトワークショップ、パネル掲示、パンフレット配布、パープルリボン参加への働きかけ、イベントへのパレード参加、フラッシュモブ実施、スピーチ発表、協力団体への呼びかけ、講演アンケート実施、中高生の行き来する時間帯に駅で啓発活動を実施した。
  • 活動の成果
    ・さまざまな団体から後援会などの依頼をいただいた。ガールスカウトがジェンダー平等実現に向けて先陣を切って活動していると認知されている。
    ・老若男女多くの方があらゆる暴力について改めて考えるきっかけになった。学校でもパープルリボンキャンペーン、ガールスカウトが取り上げられるようになった。
    ・ボーイスカウトとの連携のためのリーダー協議を開始した。
    ・スピーチ発表やパープルリボンイベントに参加したガールスカウトの成長を感じられた。
  • 今後の展望
    ・他団体と手を携え、中高生、性別を問わず多くの人にもキャンペーン運営に巻き込んだりしていきたい。ライトアップのお願いもしていきたい。
    ・パープルリボンイベント10周年を盛り上げ、より多くの団体と県内各地で声を上げる。
    ・性別にとらわれない活動の展開をするべく、ボーイスカウトなどとの連携を図る。

BE YOU, BE AWESOME.

チーム名:ステラ13

チームメンバー:中学生、高校生

  • ビジョン
    ・日本の少女たちが、メディアや他人の価値観によってつくられた理想の容姿にとらわれず、自分を愛せる世界。
    ・将来や夢を諦めず、自分らしく生きられる社会。
  • 活動を始めたきっかけ
    Dove(Unilever)とWAGGGS(ガールスカウト世界連盟)が協働で進める自己肯定感を高めるためのプログラム「Free Being Me」の小学生対象プログラムに、運営ボランティアとして参加した際、日本の少女たちの自己肯定感が低く、容姿を気にしてチャレンジしたいことも諦めたことがある割合が高いことを知った。そこで、自分たちと同じ中高生年代の少女に合うようなワークショップを企画し、実行したいと考えた。
  • 活動内容
    ガールスカウト北海道第17団のシニア・レンジャー(中高生)世代にプログラムを体験してもらい、この年代に合ったプログラムを作成した。
    市立札幌開成中等教育学校 3年生と、札幌聖心女子学院高等学校 1年生、教諭を対象にプログラムを実施した。
  • 活動の成果
    ワークショップを通して、少女たち自らが「好き」という気持ちを再認識し、発信するだけでなく、互いの良さや個性を認めあい、肯定感を高めあっていく姿が見られた。また、「メディアによってつくられた美しさ」に関するディスカッションでは、日頃からメディアに触れている中高生だからこそ見える視点があり、参加者一人ひとりに気づきがあった。
  • 今後の展望
    札幌市教育委員会や札幌市男女共同参画課に働きかけることで、地域というコミュニティに広く影響を与えていきたい。
    今回のような機会を継続して提供していくことで、1人でも多くの少女が自分らしく生きていける社会にしていきたい。