自分のカラダについて学び、アクションに変える高校生たち

わたしたちの活動#キャンプ,少女たちの声,防災・減災プロジェクト,高校生の声

10月30日(土)、31日(日)の二日間、ガールスカウト日本連盟では、昨年に引き続き、レンジャーonlineミーティングを開催しました。自分のカラダのことについて学び、そこから、一人ひとりが身近な課題に落とし込み、その課題を解決するためにできることを考えプロジェクトを計画しました。この事業に参加した高校生ガールスカウトたちは14人、3月までにプロジェクトを完了することを目指し活動をはじめました。

1日目:学ぶ

今回のテーマは「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ (性と生殖に関する健康と権利)」。1日目は、基調講演の講師に助産師・看護師の渡邉安衣子氏をお招きし、性教育についてお話をうかがい、自分自身を守るためには知識を持つことが大切であることを学びました。

基調講演の内容

第1部

  • 性ってなんだろう
  • 国連が推奨している世界での性教育と日本
  • 性と生殖を科学的に学ぼう
  • 妊娠・出産・避妊・性感染症

第2部

  • 実習(避妊具の使用方法と生理用ナプキンの吸水実験)
    講師から自分の体を相手にゆだねてしまわないために、パートナー任せにせず避妊具の正しい使い方を知っておくことや、吸水実験をすることで生理用品を清潔に保つことの大切さなどを学びました。

ガールスカウトでは、プログラム中に、不安に感じたり、話を聞いていてつらいと思ったときに、話を聞いてくれる指導者が活動に立ち会います。このような指導者の存在は、参加者にとって安心安全な場所となります。

第2部については、あらかじめ保護者に内容についての承諾をいただき、参加者の意思を尊重しました。

実演の様子、ナプキンに水を吸わせて手に当ててみると?

高校生の感想

  • 私はジェンダーばかりに目が行っていたけれど、性行動や暴力と安全、体の発達や人間関係全部含めて包括的性教育として大切なものなんだと知った。隠れたカリキュラムは日常にたくさん潜んでいて、私も心当たりがあったのでこれから気をつけていかなければならないと感じる。新しく知った言葉や話題は調べて自分のものにしたい。
  • 性のことについて口に出して言うことは恥ずかしいと思ってしまっていたけれど、自分の身体のことを知り、自分で管理できるようになりたいと思った。また、性交の同意や避妊、出産をするか、しないかを決めるのは自分自身で決める権利があり、パートナーと話し合える関係づくりも大切だと分かった。
  • 性教育に含まれるさまざまな種類の教育について、日本と諸外国との具体的な教育の差などについて詳しく知ることができてよかったです。また、コンドームを触ったり、プライベートゾーンについて話したりすることは、私自身抵抗感や嫌悪感があったのですが、それらのことについてしっかりとした知識や経験を持っていることの大切さや嫌悪の対象にはしなくてもよいことなど、新しい気付きが多くありました。

プロジェクトの再考

高校生たちは、事前課題で自分たちが関心を寄せる社会の問題について、ウォーミングアップシートを使い書き出してきていました。基調講演を聞いたあとは、さらに課題を掘り下げ、プロジェクトを形作っていく個人ワークをブレイクアウトルームに分かれて取り組みました。

ブレイクアウトルームには、3~4人の少人数に分かれ、カメラはオフでOK、また、進めていく中で相談をするのもOK。高校生たちは黙々とウォーミングアップシートをまとめあげました。

2日目:深める

2日目は、初日にまとめたウォーミングアップシートの課題を小グループで共有しあい、互いに質問と感想を交換しました。各自の課題について「問題の木」を使い、さらに深く掘り下げます。

問題の木は、「問題」の原因を根、現象を葉と考えることで、掲げられた「問題」について論理的に考える(ロジカルシンキング)手法です。ほとんどの高校生が初挑戦。現象と原因の書き分けに悩みながら、チームメンバーやリーダーたちの助けを借りて、各自が思う課題について掘り下げました。

アドボカシーへとつなげる

ガールスカウトのアドボカシーの定義
私たちの暮らしと他の人々の暮らしが向上するために、意思決定者に影響を与えること

「問題の木」をもとに課題を解決するためのアドボカシープロジェクトのビジョンとゴールを据え、具体的な企画を一人ひとり作成しました。小グループ内で意見交換することでさらに企画をブラッシュアップ。アンケートを実施する企画に対して、自分のプロジェクトでなくても、協力を申し出る場面もありました。

14人の高校生たちは、3月までにプロジェクトを完了することを目指し、活動をスタートしました。