平和の祭典をきっかけに生まれた新しい「和」~少女たち思いが実現した国際交流

わたしたちの活動

2021年夏に東京でオリンピックとパラリンピックが開催されました。
ガールスカウトは海外から参加する選手を歓迎し応援するため、全国各地で各国の旗揚げの様子を動画撮影したものをまとめて選手村で流すことに協力しました。
コロナ禍にあり、海外とのやり取りはなおさら難しい中、そのような状況で国際交流を深めることができた、ガールスカウト広島県連盟とトルコ大使館の交流についてご紹介します。

交流の始まり
旗揚げ動画撮影に協力した広島県連盟は、トルコ国旗の掲揚を担当しました。コロナ禍で人との交流がなかなかできない状況の中で、海外と関わることのできるよい機会だと、参加したそうです。

トルコ国旗を掲揚する広島のガールスカウト

その1.広島のガールスカウト→トルコ大使
旗揚げに携わったガールスカウトの「トルコ選手団を応援したい、選手たちにエールを送りたい」という思いから、日章旗に100人以上から募った応援メッセージを寄せ書きし、その旗をトルコ大使館へ送りました。

メッセージを寄せ書きした日の丸

その2.トルコ大使→広島のガールスカウト
大会が終わった9月初旬、トルコ大使館より「選手への励みになった!」と大使からのお礼の手紙とお菓子が届きました。

トルコ大使からのお礼の手紙

その3.広島のガールスカウト→トルコ大使
手紙に感激した少女たちから「おいしいお菓子をいただいたお礼を直接伝えたい」という声。その気持ちを伝えるために広島県連盟長がトルコ大使館へ電話をかけました。少女たちの思いを大使の秘書に伝え、秘書から大使に伝えていただきました。

その4.トルコ大使から大使館へ招待
トルコ大使から、東京にあるトルコ大使館へ招待をしていただき、広島県から代表者7人が訪問することになりました。参加した3人のガールスカウトはそれぞれ「平和」をテーマに、トルコ大使へのお土産を考え出しました。そこには、広島で育った少女たちの思いが詰まっていました。

・レンジャー(高校生)O:シトラスリボン*
シトラスリボン運動をたくさんの人に広め、コロナウイルス感染症などに対する偏見をなくしたいという強い思いで作ったシトラスリボンを渡しました。大使から「感銘をうけた」と、言っていただきました。

手作りのシトラスリボン

・レンジャーY:折り鶴のキーホルダー
トルコ大使に折り鶴を一緒に折っていただきました。折り鶴を折るのは初めてだったそうですが、とても丁寧に折ってくださいました。折り紙にはサインもいただきました。トルコ大使の折り鶴は、2022年8月6日の平和記念日に、ガールスカウト、地域の方が折った折り鶴と合わせて千羽鶴にして、記念式典に奉納する予定です。

トルコ大使と折り鶴を作っているところ

・シニア(中学生)Y:「和」の文字を書いた色紙(写真)
広島の特産である熊野筆で色紙に文字を書いて渡しました。トルコと日本は昔からよい関係が続いているのでこれからもずっと続くように、「和」の文字を選びました。

熊野筆で「和」の文字を書いている少女

・リーダー(指導者)A:「愛」の文字を書いた色紙
トルコと日本がこれからも「愛」の心を大切に、末永く平和が続くことを願いました。「和」「愛」両色紙を大使から「素晴らしい」とおっしゃっていただきました。

訪問を終えた少女たちの感想

シニアY:トルコ大使にお会いして「平和」を願う折り鶴を一緒に折っていただく中、とても優しい方と印象に残りました。これからもトルコと日本そして、広島のよい関係をつくりたいです。

レンジャーY:トルコ大使とお会いでき、原爆のイメージが強い広島の大切な伝統や、直接私たちの思いを伝えることができました。行動を起すことで思っていた以上の成果が出ると実感しました。このことを後輩たちに伝えたい。

レンジャーO:今回の活動を通して、トルコだけではなくいろいろな国との友好の大切さを皆に伝えたいです。

少女たちを見守り支援したリーダー(指導者)より
最初から、旗揚げだけでは終わらせたくないのではないかと思っていました。思いだけで終わらせず、思っていた以上の形にすることができました。
子どもたちのアイデアに、大人は課題を出したり見守ったりすることで支援はしますが、彼女たちは目標に向かい自分に何ができるのか、自分たちで考えて行動することができました。今、彼女たちと共に、自分自身思い出深いものを感じています。

広島県連盟長より
トルコ国旗の掲揚をきっかけに、トルコ大使館に表敬訪問のご招待をいただき、大使にお会いできるとは、夢にも想像もしていませんでした。直接大使にお礼をしたいという思いが叶ったガールスカウトたちの姿が輝いて見え、嬉しく思います。
今回の表敬訪問が実現するまでの一連の出来事をふりかえると、まず大使館とたびたび電話するなか「ガールスカウト」であることによる信頼があったと実感しました。
そして、ガールスカウトの教育活動の原点を実践できたと思います。少女主体のプログラムであり、自分たちが準備し、積み重ねてきたものを発揮することができました。子どもたちの主体性が実を結んだものだったと深く思います。この度の経験を生かし、ますますの活躍を期待しています。

シトラスリボンプロジェクトとは:コロナ禍で生まれた差別、偏見を耳にした愛媛の有志がつくったプロジェクトです。