楽しく学んで備えよう KIZUNA Day特別イベント「親子防災科学教室」
2023 KIZUNA Day* 特別イベント「親子防災科学教室」報告
国立研究開発法人防災科学技術研究所** 公益社団法人ガールスカウト日本連盟 共催事業
東日本大震災が起きて12年の年月が経ちました。いまの小学生たちは震災を経験していない子どもたちです。災害が多発する日本列島に住む私たちは、いつでも「いざというとき」に備える必要があります。
ガールスカウト日本連盟と包括連携協定を結んでいる防災科学技術研究所にご協力いただき、今年度も、小学生対象の「親子防災科学教室」を開催しました。
今年はガールスカウト会館での参加とオンライン参加のハイブリッドで実施しました。
開催日:2023年3月18日(土)
参加した子どもたちのミッションは「今日学んだことを、お家の人、お友達に伝える」です。
Dr. ナダレンジャーの防災科学実験
第1部は、雪崩について研究をしているDr. ナダレンジャーによる実験教室!
地震のときに液状化現象が起きる仕組みや、地震の揺れる速さの違いで、建物の揺れ方が大きく変わることなどを、模型を使いながらわかりやすく教えてくださいました。ナダレンジャーの楽しいトークで笑いを交えながら、災害の起こる仕組みを学ぶことができました。
避難生活で安全安心に過ごすには
第2部の講師は、大塚理加さんです。自然災害による被害を少なくするための災害対策や災害対応について研究しています。
災害対策とは、自然災害が起きたときに被害が少なくなるように備えること(例えば川のそばに堤防を作ったり、耐震性のある家にすることなど)。
災害対応とは、被災したときに命を守る行動を起こしたり、その行動を支援したりすること(例えば、避難所に家族で避難することや、避難した人々を助けること)を言います。
主な講義内容
1.自然災害が起こるとどうなる?
今回は水害と地震が起こるとどうなるか、そして安全に避難し、安心して避難生活を送るポイントについてお話ししてくださいました。
水害
- 大雨のときはつねに情報を新しくして、早めの避難が大切。
- 川の氾濫のほかに、下水道の排水が間に合わなくなって水があふれることもあります。
- 自分のお家が浸水する地域かどうか、「ハザードマップ」で確認しよう。
地震
- 揺れによる危険から身を守る。
- どのルートを通って避難所に避難するか「ハザードマップ」で確認しておこう。
2.安全な避難
まずは安全なところに移動していのちを守ろう。
- 避難するときは長靴よりもひも靴で。
- 地下には絶対に近寄らない。
- 避難ルート上に危ないものがないか、普段からチェックしておこう。
3.安心して避難生活を送るために
安心して避難生活を送るためにそなえよう
- 0次のそなえ(いつも持ち歩くもの)
- 1次のそなえ(緊急持ち出し袋)
- 2次のそなえ(避難生活を送るために必要なもの)
自分だけの持ち出しグッズを考えよう!
避難所では、
- 大勢が避難する場所ではプライバシーが保てないことも。どう工夫すればいいか、かんがえてみよう。
- またいろいろな人が集まる場所なので、子ども(女の子は特に!)は防犯に注意しよう。
<安全安心にすごすために気をつけよう!>
女の子っぽい服は避けよう。
ひとりで行動しないようにしよう。
暗くなってからの一人歩きはやめよう。
トイレの安全を考えよう。
大人に嫌(いや)なことをされたら、信頼できる大人に言おう。
避難所のリーダーは男性が多く、女性の声が届かないこともあるとのこと。
安全・安心な避難生活のために、普段から女性も子どもも、災害対策に参加するようにするとよいそうです。
参加したガールスカウトの感想
- 液状化が怖いと思いました。避難生活を送る時の服装は女の子の服を避けた方がよい事を知りました。高い建物の揺れの様子が高さと速度が関連している事を知りました。
- 実験が面白くてワクワクして楽しかった。
- 物を使って説明してくれたので分かりやすかったです。とくに、スポンジをビルに例えて、揺れのリズムとビルの高さの関係について、いろいろなことを実験で教えてくれたのでおもしろかったです。
- とても楽しかった。団でもみんなに教えてあげたい。
参加した大人の感想
- いざという時の行動、備えは繰り返し見て聞いてをすることも大切ですね。ありがとうございました。
- 娘と楽しく聞きました。災害に大切なのが、想像力と思いやりというのが、心に残りました。
- 揺れるリズムによって高いビルが大きく揺れる時と低いビルが大きく揺れる理由がよくわかりました。ハザードマップには水害と地震があるのですね。初めて知りました。防災の役員は男性が多いのは事実だと思います。災害時リーダーは男性中心。女性は炊き出しを任されるのが実情だと思います。女性ももっと参加しないといけませんね。
- 災害の状況を身近なもので作り出したり、目で見られるのはとても不思議な感覚で驚きと面白さがありました。面白いだけでおわってしまうのはもったいないので、実験の結果を踏まえてどんな危険が潜んでいるか、起こった場合にどういう行動をするといいのかも教えてもらえると、より災害について深く考えられるきっかけになると思います。
そなえよつねに
最後に、ガールスカウトのモットー「そなえよつねに」の意味をみんなで確認して終了しました。身近なところからつねにそなえて、いざというときに行動できるようになりましょう!
KIZUNA Day*
東日本大震災の日(2011年(平成23年)3月11日)を、防災の意識や技術を高めるとともに、震災の記憶や復興への思いを風化させない日として、3月11日をKIZUNA Day」と2014年にガールスカウト日本連盟が制定しました。
国立研究開発法人防災科学技術研究所**
身の回りにたくさんある自然災害とそれを事前に防ぐ方法や被害を小さくする方法などをについて研究している。オールハザード、オールフェイズ(すべての自然災害、すべてのステージ)を研究対象にしている)。