Girls Going Tech in 広島「コンピューターの世界を知ろう」

わたしたちの活動#STEAM,#体験活動,SDG5,ジェンダー平等の実現

2024年7月、ガールスカウト日本連盟はマイクロン財団の支援、広島大学のご協力をいただき、女子のためのSTEAM教育*事業「Girls Going Tech in 広島」を開催しました。
*STEAM教育:Science、Technology、Engineering、Art、Mathematicsを統合的に学習する、理数教育に創造性教育を加えた教育概念

|実施日|2024年7月28日
|会 場|広島大学 東千田キャンパス
|講 師|広島大学 大学院 人間社会科学研究科 川田和男 教授、学生のみなさん

9都府県からジュニア(小学校4年生から6年生)22人の参加がありました。 広島大学大学院 人間社会科学研究科 川田和男教授と、将来技術の教員を目指す6人の学生がご指導くださり、川田教授が開発したカリキュラムによって、2進数の計算方法を体験で学んだり、壁やモノ(障害物)に沿って進むロボットを製作しました。

ガールスカウトたちは教授や学生に囲まれて、はじめは発言も少なめでしたが、先生の優しい語りかけに次第に緊張がほぐれ、笑い声や楽しそうなおしゃべりが聞こえてきました。

前半は、2進数について学びました。小学校で習った10進数は、手の指と連動した便利で身近な数え方です。一方、2進数はゼロと1しか使いません。なんと同じ10本の指を使って1024まで数えられてしまうのです!

その後人間計算機になり、0と1を使って、チームで協力して2進数の計算をしました。計算回路の上に4人が1チームになって立ち、0と1が書かれたカードを使って、自分の計算結果を次の人に伝えます。例えば、演算子【NOT】を担当する人は、前の人から0を見せられたら次の人へは1を返します。演算子【OR】を担当する人は、前の人から0を見せられたら次の人へは0を返します。初めて知るルールに戸惑いもありましたが、広島大学の学生が入力のルールや桁の考え方を丁寧に教えてくれ、何度か繰り返すうちにルールを理解し、徐々に早く回答できるようになりました。チーム全体で協力して一つの答えを出す面白さも味わいました。

休憩時間には、講師スタッフで来てくださった大学生とのおしゃべりも弾みます。

失敗も楽しい試行錯誤のロボット作り

後半はロボット制作です「今から皆さんロボットを作ります!」という先生の声に歓声があがりました。

先生が手元のカメラで作業を見せ、子どもたちはモーターやケーブルを基盤に取り付けていきます。作業が進むにつれ、あちこちで失敗の声も聞こえてきます。「配線を間違えてる!」学生が指摘すると、「あっはっはっは!」とみんなで大笑いするところも出てきました。歯ブラシのブラシ部分を使い、ブラシで進むロボットが完成しました。

学生が一人ひとりにアドバイスをくれることで試行錯誤が繰り返されます。

「あれ、回転して前に進まないよ」
―「ブラシの角度を変えて付け直してみたらどうかな?」

「センサーが伝わらないみたい」
―「センサーの先端がモノに当たるように、付ける位置を変えてみようか」

それぞれ少しずつ違った動きをする自分だけのロボットが完成しました!

ガールスカウト日本連盟 矢後理事は、最後にこんなメッセージを届けました。
「STEAMの分野は、どんな人でも興味を持って取り組めると思います。男性だけでなく、女性だけでなく、障害のある人もない人も、外国から来た人もそうでない人も、若い人もそうでない人も、区別なく学び、多様な人が協力して社会を作ると、よりよい社会になると思います。」

さまざまな地域から集まって新しい友だちとなり、充実した3時間でした。

参加者の声

「コンピュータの仕組みが分かった」
「ロボット作りでうまくいった時とうまくいかなかったときが一番印象に残った」
「ロボット作りはセンサーを付けたりモーターを付けたりして大変だったけど楽しかった。」
「楽しかった。次も参加したい」
「身近な時計や時間にいろいろな進数があって、知らなくても意外と使いこなしていた」
「友達のロボットがカニ歩きをした」
「身近なものが計算でコンピュータになっていたのですごかったです」
「人間計算機になってみよう!がおもしろかった」
「みんなと仲良くなれたし2進数の足し算がしっかり分かってうれしかった」


ガールスカウトのSTEAM教育

理数分野の職に就く女性の割合が低いことから、ちいさな頃から専門的に学べる機会を設け、好奇心を持続する機会をつくるために、ガールスカウトではSTEAM教育プログラムを開始しています。

2進法、ロボットを切り口としたコンピューターの仕組み、半導体技術、サイバーセキュリティについて、企業と大学の協力を得ながら学びを広げています。