ESD推進ネットワーク全国フォーラム2024参加レポート
気候変動× ○○ ~点から線、線から面へのつながりづくり~
環境省と文部科学省は、全国で「持続可能な開発のための教育(ESD)」という活動を進めています。ESDについてみんなで情報交換したり、良い取り組みを共有したりするためのオープンネットワーク「ESD推進ネットワーク」は、環境省と文部科学省によって共同で運営されており、さまざまな団体が参画しています。ガールスカウトもメンバーとして、年に一度の大きなイベント「全国フォーラム」のポスターセッションに参加しました。
ESDとは
ESDは、地球の環境を守りながら、みんなが幸せに暮らせる未来を作るための教育です。学校教育だけでなく、社会教育を通じて、地球温暖化や環境汚染といった問題を解決するため、一人ひとりができることを考え、行動する力をはぐくみます。ガールスカウトには3つの活動ポイントがあり、そのうちの一つは「自然とともに」です。私たちガールスカウトはESDを以前から推進してきました。
ESD推進ネットワーク全国フォーラム開催概要
- 日時:12月1日(日)10:00~16:00
- 会場:国立オリンピック記念青少年総合センター 国際交流棟 国際会議室
- 主催:ESD活動支援センター、文部科学省、環境省
- ESD推進ネットワーク全国フォーラム詳細
環境教育・ESD実践動画100選と基調報告
環境教育・ESD実践動画100選では、持続可能な社会の実現を目指し、環境教育やESDの優良事例を紹介するためのプロジェクトです。環境省が主催し、学校教育や社会教育における子どもたちの取り組みを3分程度の動画で公募し、選定された動画の認定証授与式がおこなわれました。特にすぐれた取り組みについて、高校生自身による2グループの発表がありました。
続いて、環境省と文部科学省よりそれぞれの現状について、基調報告がありました。
環境省からは、令和6年5月に閣議決定された環境教育等促進法に基づく基本的な方針の変更や環境教育・ESDのロジックモデルの報告がありました。
文部科学省からは日本と世界の比較やユネスコスクールの参加状況やESDを実践している学校の事例紹介、学校での取り組み課題など興味深い内容でした。学校以外での学びの場であるガールスカウトが子どもたちへの環境教育を補助できるのではと可能性を感じました。
活気あふれるポスターセッション
30の企業・団体によるポスターセッションでは、それぞれの活発な活動を見聞きすることができ、会場はとても活気にあふれていました。
ガールスカウトは、大阪府連盟の海洋プラごみに関する活動事例を紹介しました。
2023年に環境アクションチャレンジ「ごみを減らして、いきものと地球を守ろう!」をTEAM EXPO2025の共創チャレンジとして、地球環境センター(GEC)となにわエコ会議と大阪府連盟の3者が連携して全4回のイベントをおこないました。このイベントの取り組みを紹介し、また、この取り組みから派生して始まったばかりの「国連環境バッジ(海洋プラごみ)*」のプログラムを教材とともに紹介しました。
*国連環境バッジ(海洋プラごみ)…ガールガイド・ガールスカウト世界連盟では、国際連合のさまざまな機関などと協力し国連チャレンジバッジシリーズを開発しています。国連環境バッジ海洋プラごみ(Plastic Tide Turners Challenge Badge)はそのひとつです。
≫ 国連環境バッジ(海洋プラごみ)への取組み|ガールスカウト大阪府連盟
COP29の課題と未来への取り組み
NHKエンタープライズ 堅達京子氏による基調講演では、私たちが直面している気候変動問題の深刻さを改めて認識させられました。同氏は、NHKスペシャル『激変する世界ビジネス “脱炭素革命”の衝撃』など、数々の気候変動に関する番組を手がけてこられました。講演では、これらの番組制作を通して得られた知見や、気候危機への警鐘を鳴らし続けてきた熱意あるお話を伺うことができました。
世代を超えてつながり、気候変動問題を語り合う
パネルディスカッションでは、教育現場でESD(持続可能な開発のための教育)をどのように推進していくかについて、熱い議論が繰り広げられました。学校の先生、NPOの代表、企業の担当者など、さまざまな立場の5人のパネリストが、ESDの意義や課題についてそれぞれの考えを伺い、深い学びを得られました。
議論の後には、参加者同士がグループに分かれて、気候変動問題について自由に話し合う「おしゃべりタイム」が設けられました。この時間は、年齢も職業も異なる人々と意見交換できる貴重な機会となり、参加者同士が互いの考えを深め合うことができました。
フォーラムを通じて、気候変動問題の解決に向けて、私たち一人ひとりができること、そして若い世代と協力して取り組んでいくことの大切さを改めて認識しました。
ガールスカウトは、これからも気候変動問題に取り組んでいきます。