Girls Going Tech「ロボットの世界を知ろう」in 東京

わたしたちの活動#STEAM,#体験活動,SDG5,ジェンダー平等の実現,理系

2024年8月、ガールスカウト日本連盟はマイクロン財団の支援、東京工業大学(現東京科学大学)の協力を受けて、女子のためのSTEAM教育*事業「Girls Going Tech」を開催しました。
*STEAM教育:Science、Technology、Engineering、Art、Mathematicsを統合的に学習する、理数教育に創造性教育を加えた教育概念

|実施日|2024年8月18日
|会 場|ガールスカウト会館(東京都渋谷区)
|講 師|
[ロボットの世界を知ろう]東京工業大学(現東京科学大学)岩附信行副理事、学生の皆さん
[東工大リケジョへの道]東京工業大学(現東京科学大学)荒木雅子教授、学生の皆さん

8月18日(日)にガールスカウト会館にて Girls Going Tech を開催しました。11都府県からブラウニー(小学1年生から3年生)31人、ジュニア(小学4年生から6年生)34人の参加がありました。
東京工業大学(現:東京科学大学) 岩附信行副理事・工学院教授と、工学部の学生がご指導くださり、岩附教授が開発したプログラムによって、それぞれの年代に合わせたロボットを作成しました。
また同時に指導者・保護者向けに女性教授、女子学生のよる講演会「東工大リケジョへの道」を開催し、18人が参加しました。

マジックハンドを作る!

対象|ブラウニー(小学1年生から3年生)

ブラウニーのプログラムでは、「マジックハンドを作る!」をおこないました。これは2024年春に岩附教授により、ロボット工学をガールスカウトの団(グループ)で学べるように開発された教材「ロボティクスバッジ1 リーダーズガイド」を使って実施できるプログラムです。

初めて扱う工具に戸惑いながらも、ブラウニーたちはパーツの組み立てを進め、いくつもの工程を前に、順序を間違えまいと先生の解説を見て、集中して作業をしました。真剣な姿に思わずエールを送りたくなります。

「ちょっと見てください」「これで合ってますか」と挙がる手に、先生自ら教えてくださいました。 

完成したマジックハンドで、物をつかんでみよう!

自分のマジックハンドを動かして、ようやく笑みがこぼれます。
「できた人は、今度はちょっと変なマジックハンドマジックハンドを作ってみよう。さあどんな動きをするかな?」
次の段階ではパーツを留める中心部までの長さが左右非対称のパーツを組み合わせて、まっすぐに伸びないマジックハンドを作り、その楽しい動きを体験し、2時間のプログラムがあっという間に終了しました。

歩行ロボット 脚のメカを作る!

対象|ジュニア(小学4年生から6年生)

ジュニアのプログラムでは、「歩行ロボット 脚のメカを作る!」をおこないました。
ブラウニーの内容より部品や手順が複雑ですが、失敗しながらも自分の手で作り上げることによって、私たち二足歩行の脚が動く様子を再現でき、複雑なメカニズムが視覚的に理解できるようになります。

これも、岩附教授により開発された教材「ロボティクスバッジ2 リーダーズガイド」を使って実施できるプログラムです。
数学と
物理学の基礎的な考え方が実習に盛り込まれ、「学校の勉強をすると、ロボットが動く姿を数式で求められるようになるんだよ。」と、学校の授業の大切さも再認識できるように教えていただきました。

東工大リケジョへの道

対象|保護者・指導者

指導者・保護者向けには、東京工業大学(現:東京科学大学)工学院 荒木雅子教授と女子大学院生にお越しいただき、女性研究者へのキャリアパスについてお話しいただきました。荒木教授は理系大学の女性比率をはじめ、大学や社会の現状を解説してくださり、学生の皆さんは子どものこと、今の生活について、そして就職先についてお話しいただきました。

特に「小学生のころはピアノや好きなことをしていました」「思いっきり遊んでいました」「中学生のころまで受験は考えたことありませんでした」「数学ができたらカッコいいと思って、慌てて勉強を始めました」といった発言からは、理系・文系の早い段階からの線引きが見られず、意外と思われたり、安心された方がもいたかもしれません。また学生から保護者へ「勉強しなさいと言われるとしたくなくなるから、のびのびと育ててほしいです」とのメッセージも。
普段なかなか知ることのできない「リケジョ」の皆さんの等身大のお話に引き込まれ、質疑応答も盛り上がりました。

「Q いつから勉強しましたか?」「A 受験直前」
「Q 理系はモテない?」「A 少ないので、学内ではモテます」
「Q 親の支援はどんな形でありましたか?」「A 学費を出してくれた。感謝しています」「A 『理系に行くの?』と言われたけど最終的には私の意志で決めさせてくれた」
などなど、みなさんの本音が飛び交い、充実した講演会となりました。

参加者の声

マジックハンドを作る!

「マジックハンドをはじめてつくってたのしかった。」
「ハトメペンチでとめるところがとてもたいへんだったけれど、とても楽しかったです。」
「ほんのちょっと穴の位置が変わると動きが変わるところがおもしろかった。」

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歩行ロボット 脚のメカを作る!

回すだけで足がうごくことがふしぎだった。
ハトメパンチを留めるのが大変だった。解説が楽しかった、おもしろかった。
「自分で作った『足』が成功してとてもうれしかった。両足を作ってみたい。」

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東工大リケジョへの道

「現役学生の生の声が聞けたこと、文系理系と区別せずに興味の持てることで将来を選ぶというお話が、印象に残りました。自分の中の ❝院生は小さいころから探求好き、頭が良い❞ といったバイアスに気づくことができました。」
「小学生のときの算数の得意不得意はその後に影響が少ないというのが意外でした。」
「特に就職に関する話は参考になりました。将来が不安な時代ですので、このようなセミナーは参考になります。就職先の選択肢を増やしてあげるために、学ぶ機会を設けたいと思います。」
「 ❝リケジョ❞ のイメージが良い意味で変わってきていると思いました。将来に幅広い可能性があり良いと思います。子どもに対して理系への入り口となるチャンスが地方にもあるといいと思います。」


次回は3月2日、奈良にて「Girls Going Tech ロボットの世界を知ろう!」を開催予定です。

Instagramで紹介!Girls Going Tech


ガールスカウトのSTEAM教育

理数分野の職に就く女性の割合が低いことから、幼いころから専門的に学べる機会を設け、好奇心を持続する機会をつくるために、ガールスカウトではSTEAM教育プログラムを開始しています。

2進法、ロボットを切り口としたコンピューターの仕組み、半導体技術、サイバーセキュリティについて、企業と大学の協力を得ながら学びを広げています。

今春、奈良県でも開催する運びとなりました。
»  2025年2月18日プレスリリース:ガールスカウト、未来のエンジニアを育成! ロボット作りと半導体技術体験でSTEAM教育を推進 奈良県で初開催