ジェンダー平等の実現は、まず違和感を話すことから。
2019年度にガールスカウト日本連盟が発表した「ジェンダー」に関する女子高生調査。 調査から見えてきたことを、衆議院議員やジェンダー平等の問題に関心を持つ人々に発信してきた二人の高校生ガールスカウト(当時)が、2回に分けてその思いをお伝えします。 1回目は、古泉歩美さん(現在は看護学生)です。
感じていた 日常の違和感
それは、共学校の中にある性別役割、電車に乗ったとき目にする「脱毛広告」、テレビの中で補佐的役割の女性たち。これらは自分の中で感じる小さな違和感でした。でも、これまで私はこの「日常の違和感」を友達と話すことはありませんでした。 2019年5月、「みんなの声を届けよう!」ワークショップ*に参加して、女子高校生たちが回答したアンケートの結果から話し合い、考えました。そして、学校の友達にも質問してみました。そこで分かったことは、「みんなも違和感を感じていたんだ。」「問題あると思っていたんだ。」ということ。 例えば、このアンケート結果をもとに、どんな嫌がらせや性差別を見たり経験したりするのか友達と話してみると、どんどん見えてきました。 インターネットでは、性的な広告が多いこと。Twitterでは女性だとわかると嫌がらせをされるから性別は分からないようにする必要があることなどです。
私は、友達とは話す機会がないと思っていたテーマも、今回の活動を機会にコミュニケーションをとるようになりました。また、自分のパートナーとは、ジェンダーに関するテーマに一緒に向き合える人がいいな、と思うようになったり、情報に敏感になったりしました。ガールスカウトのリーダー(指導者)からは、どうやってたくさんの情報を得られるのか、それをどう判断したらいいのかを学びました。
隠れたカリキュラムから受けているメッセージ
私たちは、日常でたくさんの性差別的なメッセージを受けています。例えば、私は共学校に通っていますが、体育では男子は剣道、女子はダンスの授業があります。これは、今まで当たり前だと思っていて、気づかなかったメッセージのひとつです。こうした「ジェンダーに関する隠れたカリキュラム」は、学校には多く存在しています。 今を生きる私たちの小さな違和感や疑問は、そのままにしないことが大切だと思います。そのままにせずにもっと人と話してみることで、社会は必ず変わっていきます。そして、「ジェンダー」の価値観は時代によって変わるはずです。
私たちの世代が、今、この問題に取り組めば、価値観は変わっていく。 10年後、20年後の私たちが大人になったときには、 今当たり前にある価値観は、もう当たり前ではなくなる。 そうすると、そのときにすでに時代は変わっているということになる。 そのためには、今、一緒に声をあげる、 そして、行動を起こすことがとても大切だ。(18歳) 『「ジェンダー」に関する女子高校生調査報告書2019』より
少女や女性が生きやすい社会は、誰もが生きやすい社会
彼女たちの声にあるように、この問題に取り組めば、人々の価値観は変わり、社会は確実に変わります。ガールスカウトでは、少女たちとともにこの問題に取り組んでいきます。 読売新聞教育ネットワークにも掲載されました。
「ジェンダー平等実現」に関する、ガールスカウトの最近の取り組み
- 2019年3月〜4月 ジェンダーに関する女子高校生アンケートを実施
- 2019年5月 「みんなの声を届けよう!」*ワークショップを開催。 参加者(高校生、大学生)は、学校などでさらに友達にインタビューするなどし、アンケートの結果は自分の身の周りにもあることなのか調べ、まとめた。
- 2019年6月 衆議院会館で院内集会を開催。国会議員や大学生、中高生、たくさんの大人たちを前に現状の問題点を伝えるとともに、具体的な改善案を提案。
- 2019年8月 埼玉県の女性会館で開催された「男女共同参画推進フォーラム」のJAWW(日本女性監視機構)にて、女子高校生の声と解決策について伝えた。
- 2019年10月 アンケートの結果や私たちの分析と声は、「ジェンダー」に関する女子高校生調査報告書2019として国際ガールズ・デーに発行。
- 2019年12月〜2020年1月 大学生年代の女性を対象にジェンダーに関するアンケートを実施
- 2020年6月27日 オンラインイベント ジェンダー×じぶん「大学生の声からみんなで考えてみよう!」を開催(大学生年代の女性を対象にしたジェンダーに関するアンケートの結果を発表)
『「ジェンダー」に関する女子高生調査報告書2019』を見る(ガールスカウト日本連盟発行)
現在、ガールスカウト日本連盟では『女子大生×ジェンダー調査報告書2020』をまとめています。 2020年6月27日(土)にオンラインイベントで発表を予定しています。
【オンライン開催】女子大生の声からジェンダーを考えよう! 詳細&参加申し込みはこちら
また、「ジェンダー」に関する女子高校生調査を、2020年度も実施しています。 女子高校生アンケート2020:この活動については、このブログでも随時お伝えしていきます。
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