ガールスカウトがロープワークを習う理由
ガールスカウトに入るとロープワークを習います。体験集会でも「ロープワーク」という言葉を見かけることもあるかもしれません。ロープワークとは、アウトドアでの活動だけでなく、日常生活の場などで素早く確実に「結ぶ」ための技術です。
「なぜ、ロープワークを習うの?」「なにかの役に立つの?」と思われる方もいらっしゃるかと思います。今回は、ガールスカウトがロープワークをプログラムに取り入れている理由を紹介します。
小学低学年ブラウニー部門は「本結び」からスタート
小学校1年生からチャレンジする結び方は基本の「本結び」。固く結べるのに、結び目を返し引っ張るとスルッと取れます。ガールスカウトたちは「手品みたい!」と言って喜んで覚えます。(結び目の返し方はYouTube動画をご参考に。)結んだり、ほどいたりするお弁当の包みになどに活用できます。
続いて習うのが「巻き結び」。引っ張れば引っ張るほど、締まるので、くいや木にロープを結ぶときに使います。空のペットボトルに「巻き結び」をして、本当に取れないのか確かめる子もいます。
生活の中では、新聞や段ボールをまとめるときなどに活用できます。
» やってみよう巻き結び(インク結び)とその応用(YouTube)
この投稿をInstagramで見る
小学高学年ジュニア部門になると立体的な結び方にチャレンジ
小学高学年になると、竹と麻ヒモを使い、キャンプで使う家具を作る練習をしはじめます。写真は、「じゃばらしばり」を練習するジュニアスカウトたち。「じゃばらしばり」は竹や板をつなぎ、板状にすることができる結び方です。テーブルやイスを作るときに使います。
さらに、難しい「角しばり」や「すじかいしばり」などなど、さまざまな結び方を覚えて、立ちかまども作れるようになります。
ガールスカウトでは、キャンプで作る家具をキャンプクラフトと呼んでいます。使う材料は基本的に、竹と麻ひもだけです。ガールスカウトが大切にしている活動のポイントの一つ「自然とともに」の精神から、自然に返る素材を使用しています。
ロープワークは「そなえよつねに」の実践
中学生・高校生のガールスカウトたちは、キャンプ場で器用に独創的な家具を作り出します。そんな、お姉さんガールスカウトたちにあこがれて、小さなガールスカウトたちはロープワークに熱中します。ロープワークの達人になると、必要な物はなんでもキャンプクラフトで作れるようになります。
竹と麻ひもだけという制約がある中で、いろいろな結び方を組み合わせキャンプクラフトを作るという体験は、達成感が高く、自己肯定感も高まります。仲間との制作ではチームワークを、そして、物事の順序を組み立てる力、自分で考える力をはぐくみます。
ガールスカウトのモットーは「そなえよつねに」 。このモットーは、実際に物を備えるだけでなく、自分で考えその場にあるものだけで工夫する心構えを備えることも含まれます。キャンプでの生活を通じて、ガールスカウトたちは「そなえよつねに」を自然と身に付けていきます。ロープワークを習う理由はここにあります。
大人になって、このモットーのおかげで何事にも臨機応変に対応できるようになり、さまざまな困難のときに助けられたというガールスカウト経験者の話しもよく聞きます。
ガールスカウトはそのような人材を育てることで、何か事が起きたとき、自分だけでなく周りの人々も 助けることができるようになることを目指しています。
ぜひ、お近くの団でガールスカウトを体験してみませんか。
5月22日はガールスカウトの日。この日を中心にガールスカウトでは全国各地でイベントを開催しています。
ガールスカウトでは今回紹介した結び以外のロープワーク動画も公開しています。