だれもが過ごしやすい社会をつくるには、ジェンダー問題に目を向け考える事から始まる
2024年5月25日に宮崎市男女共同参画センター パレットにてジェンダーに関する女子中高生調査報告書2023をもとに「女子中高生が感じていること」「嫌がらせや性差別の現状」「性に関する正しい情報の必要性」を伝える研修会を開催しました。
子どもの人権研修会 ジェンダー平等を実現しよう
「子どもたちの目に映っている社会とは」
研修概要
―第一部―
取り組み紹介 各事業に参加したガールスカウトが発表
- 2023年に宮崎で行われたGEキャラバン「ジェンダー平等を実現するプログラム」
- 2023年に大分で行われたシニア事業 「自分のからだを知ろう、守ろう」
- 県内のパープルリボンキャンペーン活動(宮崎市・都城市・延岡市・小林市)
- 各活動に関連するジェンダーに関する女子中高生調査報告書2023の項目、分析データを紹介
―第二部―
少女たちとユース年代のリーダーがおこなうトークセッション
〈トーク内容〉
- ガールスカウトの良さや思い出
- 参加した事業で学んだこと
- どんな世界になってほしいか
- 調査報告書の結果から思う事
- 学校や身の回りで巻き起こる性差別やジェンダー問題について
- 進路選択とジェンダーについて
- インターネットは安全か?
- 学校で受ける性教育は十分なのか
- もし性差別や嫌がらせを受けたらどうするか
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ジェンダーに関する女子中高生調査報告書2023より
日常生活に潜むキケン
メディア、公共の場所、学校、家、塾や習い事、パートナーとの場面で中学生の45%、高校生の61%の割合が性的な嫌がらせや性差別を目にしています。
ちなみに2019年の結果である高校生62%と比較して、大きな変化はありません。
この結果より、日本の中高生は日々の生活の中で多くの性的嫌がらせや性差別を目にしていることが分かります。
もっとも多くの中高生がメディアで嫌な思いをしています。
なかでも、SNSの広告やメッセージ機能を使って不適切で性的なメッセージを送られることも少なくないようです。子どもたちを取り巻く環境は決して安全ではなく、身近に危険が潜んでいます。
「女の子だから」という言葉が与える影響
未だに「女の子だから」と性別により行動が制限されることや性別に関する無意識の思い込みが存在しています。
これらはこれまで刷り込まれた固定観念や社会の仕組みにも関連しています。
このような固定観念やジェンダー不平等な社会の仕組みが要因となって、挑戦することをやめたり、希望や夢を失う可能性があります。
だれもが自分らしさを発揮でき、性別にとらわれない社会の実現には、一人一人がジェンダー平等について自分事として捉え、考え、行動することから始まります。
登壇者の声
各事業に参加したガールスカウトが実際に経験し、学んだことや今後のガールスカウトとしての展望などを多くの方の前で発表することができ、自信をつけることができました。
また、ガールスカウトの活動や事業を一般の方にお伝えすることができ、関心を持っていただけました。
2023年度の実施した調査報告について発表するのは今回が初めてでしたが、参加者の皆さん、参加した少女たちに改めて日常生活に刷り込まれた固定観念や身近な性差別、今の女子中高生たちが感じているリアルについて知っていただくことができました。
この研修会に参加して初めてジェンダー平等や性差別について考えてくださった参加者もいらっしゃいました。
この会をきっかけにジェンダー問題について考える人が増えることを願っています。
研修会の成果
- ガールスカウトがおこなっている活動や活動方針などをより多くの方に知ってもらう機会になった
- パープルリボンキャンペーンについて知ってもらうことができた
- ジェンダーに関する女子中高生調査報告書2023をもとに「女子中高生が感じていること」「嫌がらせや性差別の現状」「性に関する正しい情報の必要性」を伝えることができた
- 発表したスカウトたちが自信を持って発表することができ、ガールスカウトへの帰属意識も高まった