アジアで活躍する日本のガールスカウト
ガールスカウトは世界150の国と地域にある国際的な団体で、日本連盟は、アジア太平洋地域に所属する26連盟の一つです。ガールガイド・ガールスカウト世界連盟（WAGGGS）の方針を伝え、アジア太平洋地域内の運動促進のために活動するのが、6人のアジア太平洋地域委員（以下AP地域委員）です。
日本の湯田ミノリさん（埼玉県第20団）は、2013年～2019年までAP地域委員を務められました。湯田さんが任期満了を迎えたこの夏、8月に開催された「第13回アジア太平洋地域会議（台湾）」での選挙で、次期委員として新たに大阪府第121団所属の稲浦綾さんが選ばれました。
AP地域委員の仕事って何をするのでしょう？ 国際的な活躍をするお二人はどんな方でしょうか。今回はお二人に、AP地域委員の活動内容やご自身のガールスカウト活動経験についてお話をうかがいました。
多様性に富むメンバーと活動して
湯田ミノリさん（埼玉県第20団）
■AP地域委員のお仕事
私は2013年から2019年まで、AP地域委員を務めました。 AP地域委員は、地域内の26ある加盟連盟が、どのような状況にあるのかをモニタリングし、よりよい連盟の運営をしていくためのサポートをおこないます。AP地域の少女や若い女性たちによりよい機会を提供する等の仕事をします。
6人の委員会メンバーは、出身国、世代、職業、考え方など多様性に富んでいるのですが、意見や態度の相違は日本人同士でも同じであることに気がつき、誰と一緒に働いても大丈夫だと思えるようになりました。また、2期6年務めたことにより、リーダーとメンバーの違いによる組織の影響について考えさせられることも多かったです。
委員の活動を通して、世界中のさまざまな場所に行き、その場所の実態を知り、ユニークな体験ができ、たくさんの人に出会え、そして世界の問題や新しい教育のトレンドを学ぶことができました。
■日本でのガールスカウト活動
私が高校1年生のときに、日本中から来た仲間たちと一緒に企画、実施した戸隠でのキャンプは、自らの視野が広がるきっかけになりました。最近では、長年の夢だった海外での団キャンプが実現し、イギリスに行きました。本当に素晴らしい１週間になりました。
■日本の皆さんへのメッセージ
私たちの生きる世界の広さ、そしてあなた自身の可能性に気づける場所がガールスカウト活動の中にあります。皆さん、団の活動だけでなく、他の団や都道府県、国々からガールスカウトたちが集まる活動にもっと参加してください！リーダーたちも、経験がないから、若いからといって扉を閉ざさず、みんなにさまざまな挑戦をさせてあげてほしいと思います。
AP地域委員へ 大きなチャレンジ
稲浦 綾さん（大阪府第121団）
■ガールスカウト活動で得てきたもの
皆さん、こんにちは。このたび、アジア太平洋地域委員になりました。
私は小学4年生のときにガールスカウト活動を始めました。今はトレイナーとして、団ではレンジャー部門のリーダーとして活動しています。
私はガールスカウトの活動を通し、人前で話すことが得意になりました。子どもの頃は前に立つのも苦手だったのですが、なんと今の職業は教員です。仲間とともに何かを考え、発表するチャンスに恵まれたこと、それを支えてくれる大人と仲間がいたことが、私の自己肯定感を高め、苦手を得意に変え、何ごとにもチャレンジする心を育んでくれました。今は同様の体験を若い学生たちに！ という思いで教壇に立っています。
■国際交流で視野が広がる
また、私は「国際交流」の機会を多く得ました。2005年に大阪府連盟の海外研修に参加して以来、世界にもたくさんの仲間がいることを実感し、もっともっと活動の幅を広げたいと思うようになりました。2007年、大阪府連盟平和提唱事業「ミャンマー・スタディツアー」に参加し、その後もミャンマー支援の活動を継続し、ミャンマーガールガイドが50年ぶりに活動を再開した際、リーダートレイニングを担当することができました。現在も、ミャンマーの支援を続けています。
そして2019年、アジア太平洋地域委員に選ばれました。これまでの活動の中で一番大きなチャレンジです。経験と専門性を生かし、アジア太平洋地域に属する26の国と地域を一層盛り上げられるよう努力したいと思っています。
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お二人のお話はいかがでしたか？
ガールスカウトで活動していると、国際的な視野を広げ、世界中に仲間がいることがわかります。世界の多様性、互いを尊重することの大切さを感じることができます。それはきっと、世界の平和に結びつくはずです。