同世代の苦しむ子たちの役に立ちたい 思いやりを形にする方法
ガールスカウトのHさんがレモネードスタンド募金を始めてから3年が経ちました。
小学校5年生のとき、ほかの地域のガールスカウトがレモネードスタンドを開いているのを見て、レモネードスタンド募金というものがあることを知りました。アメリカで、小児がんと闘う女の子が始めた「小児がん治療研究支援のレモネードスタンド」。
「小児がん」という大変な病気で同年代の子が苦しんでいるということに対して、自分も少しでも役に立ちたいと思い立ちます。
仲間と一緒にPTAのバザーに出店
Hさん
「まずは、ガールスカウトのリーダーや小学校の担任の先生に相談しました。ガールスカウトでは、ジュニア部門(小学校高学年の少女が所属するグループ)で一緒の3人も賛同してくれ、4人の通う小学校のバザーで開きたいとPTAにお願いしました。GOサインが出るまで時間がかかり心配しました。でも無事に開催でき、150人もの人にレモネードを買ってもらい、14,932円を寄付することができました。」
中学でもチャレンジ
今年、中学生となった4人は、中学校の文化祭での開催にもチャレンジしました。
Hさん
「PTA常任理事会に4人で出席し、PTAの皆さんに趣旨を伝えバザーでレモネードスタンドを開きたいとお願いしに行きました。緊張しましたが、快く開催を認めてくれて嬉しかったです。バザーではスタンドの飾りに、SDGsのアイコンを取り入れました。家庭科の先生がとても興味を持ってくださって、SDGsのアイコンを見て、『いつもどんな活動をしているの?素晴らしい活動ね。』と、ガールスカウトについていろいろと質問をしてくれました。」
「中学校では部活の試合でバザーに来られなかった友達が、『レモネード残しておいて! 帰ってきたら募金するから』と、言ってくれて本当に嬉しかった。」
SDGsのロゴの使用で、社会貢献活動であることを多くの人に知ってもらうことができたそうです。
後輩たちへ想いがつながる
そして、小学校のバザーでもレモネードスタンドを開きました。3回目の開催ということもあり、「今年もそんな時期がやってきましたね。」とPTA会長さんからすぐにお返事をいただけたそう。続けることの大切さを実感したそうです。
現在、小学校に通う後輩たちが中心となっての開催でしたが、もちろん、Hさんをはじめ中学生となった4人も母校にお手伝いに行きました。
そのときの様子はこちら(ガールスカウト千葉県第91団Facebook)
12月は寄付月間です。日本人は寄付をする習慣が諸外国に比べて低いと言われています。143の国を比較する世界寄付指数(world giving index)では、107位*という結果でした。
*Charities Aid Foundation の調査より
一方、ガールスカウトは「街頭募金で見かけたことがある」という声を聞くことがあるほど、募金活動のイメージをもたれているようです。それは、ガールスカウトは活動をするうえで大切にしている言葉(やくそく)の中に「人に役立つことを心がけ」という文言があり、それを長年実践してきたからです。
今回、紹介したHさんも自分と同年代の子を思い、周りの友達や大人を巻き込んで、4人で3年間もレモネードスタンド募金を続けています。
Hさん
「レモネード募金のことを知って、病気の子どもたちのことを考えるようになりました。私は活動の延長として、中学校に入りヘアードネーションに協力しました。金額は少なくても、毎年協力することで少しでも病気の子どもたちの役に立ちたいです。」
人を思いやる気持ちは社会貢献活動へとつながっていきます。