ユースの声を世界へ!「Y7サミット」
G7首脳会議の公式付属会議として、開催国政府の主催又は後援のもと年に一度開催される、各国を代表するユース(Youth)のリーダーによる国際会議「Y7サミット」。ガールスカウトのユース年代(18歳~25歳)の会員が、4月に開催されたオープニングイベントと懇親会に参加し、さらに、オンラインでY7メンバーにガールスカウトが考える課題について提言をおこないました。
日本でY7サミットが開催されるにあたり、ガールスカウトが課題と考えていることを提言する機会をいただきました。よりよい社会を作るために、ガールガイド・ガールスカウト世界連盟およびガールスカウト日本連盟の、ジェンダー平等の実現に関する取り組みについてY7メンバーに伝えることができました。
提言をしたガールスカウトユースは、世界連盟「アドボカシーチャンピオン2022」メンバーと、日本連盟『18-25歳対象ジェンダーに関する調査報告書2022』の調査チームメンバーの3人です。
世界連盟「Global Advocacy Champions 2022」プロジェクトからの提言
Global Advocacy Champions 2022は、少女と若い女性のジェンダー平等を求める声を、2022年の「国連女性の地位委員会(CSW66)」に届けるプログラムです。
キーメッセージとして次の6つの視点を課題にあげました。
- 少女と若い女性の意思決定への参加
- 気候変動に伴う少女と若い女性への影響
- 若い女性の経済参加と機会について
- パンデミックに伴う少女と女性への影響
- 少女と若い女性に対する暴力(VAWG)
- 少女と若い女性に十分な栄養へのアクセスを
国レベルの政策では、ジェンダー平等を目指す際「女性」とひとくくりにされてしまいます。その「女性」の中にも、年代・経済的な状況、セクシュアリティ、宗教や非常に多様性があり、経験しているジェンダー差別がみな違うことを認識したうえで、ジェンダーの視点を最優先するべきであり、より多角的な視点から具体的なアクションが生まれることを国に期待しています。
ガールスカウト日本連盟『18-25歳対象ジェンダーに関する調査報告書2022』の調査チームからの提言
続いて、ガールスカウト日本連盟が全国の18-25歳の女性を対象に昨年実施したジェンダーに関する調査から見えた日本の今後の課題について、私たちの提言をお話ししました。
調査から分かった3つの課題
- 多くの女性が学校や職場、家庭などさまざまな場面で性別による役割の違いを感じている。
- 多くの女性が妊娠・出産、結婚、キャリア形成において『女性だから』と一括りにされていると感じている。
- 妊娠・出産、結婚を理由に進路や就職の選択肢を狭められていると感じている人が一定数いる。
以上の問題から、
「義務教育の過程で思考力・正しい判断力を形成するための必要な知識を得るため、学校のカリキュラムにジェンダーに関する教育を組み込むこと」
「社会でも家庭でも性別に縛られない言葉がけや生き方が当たり前の環境」
「キャリア選択における性別の固定観念の意識改革、女性が不利益を被ることのない社会の制度作り」
これらが必要であることを伝えました。
提言をおこなったユースの声
- このような機会をいただくまで、Y7があることを知りませんでした。若者のパワフルな声を国に届けることの重要性と可能性を改めて実感し、有識者の方々やY7代表の皆さんのお話を聞いて、これからも諦めずに信じて頑張ろうと奮い立たされました。
- 私はこれまでガールスカウトでジェンダーについて調査してきました。Y7ではジェンダーだけではなく経済や平和、グローバルヘルスなどの多角的な視点からよりよい未来のために話し合いました。さまざまなバックグラウンドを持つ方々が集まったからこそ新しい発見がたくさんあり、刺激的な経験をさせていただきました。
- Y7メンバーの方や各方面で活躍されている方と国際課題についてお話することができ、とても良い経験になりました。また、ジェンダー調査を通じて私たちが提言したいことを直接届けることが出来てとても嬉しく思います。
4月9日Y7サミットオープニングイベントと懇親会の参加
提言の前には、4月9日に開催されたY7サミットオープニングイベントや懇親会に参加し、たくさんの刺激を受けました。
ガールスカウトの提言は、7つの国とEUから来日した代表団によって締結されたコミュニケ(文書による意思表示・声明書)に一部盛り込まれたとのことです。
G7 Youth Summitオープニングイベントの様子はこちらから
ガールスカウトではジェンダー平等実現を目指し、学習プログラムを提供しています。